2002年1月11日から2011年8月19日までマネックスメールに連載した マネックス・ユニバーシティ代表取締役(※連載当時)内藤忍の資産設計コラム。(現在は更新しておりません)
今月有名音楽プロデューサーが逮捕されました。あのニュースを見て思ったことが2つありました。
1つは彼に金融に対する知識があれば、きっと経済的に追い込まれることは無かっただろうということ。お金の稼ぎ方は知っていても、お金の殖やし方、使い方は知らなかったのは残念なことです。
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そしてもう1つは、人生は長期戦であるということです。短期的に成功したとしてもそれが持続しなければ、せっかく積み上げてきたものが帳消しになってしまいます。
これは投資ととてもよく似ています。投資も短期間に大きく資産を殖やしても、結局失敗してしまい、最終的に自分の生活を豊かにすることができなければ、投資も成功とは言えないのです。
そして2つに共通しているのは長期戦であるからこそ、思い通りにならない、うまくいかない時が、必ずあるということです。今は順風満帆だという人でもうまくいかない時もあったのではないでしょうか?しかし逆に言えば、そのような最悪の事態になっても何とか持ちこたえれば、その後回復して危機も乗り越えることができ、長期の成功につながる可能性が高まるのです。
とすると、長期戦で結果を出すためには、最悪の展開になった時の対応がカギになります。投資においてそんな逆境時を乗り越えるにはどうしたら良いのでしょうか。もちろん、損切り、マネーマネジメントといった運用スキルも必要ですが、今回はメンタルな側面からどのような対応ができるのかを考えてみたいと思います。
■ 成果が出ないときに続けられるか
長期投資で重要なのは、成果が思うように出ていない時に続けられるか、です。お金を殖やそうと思ってはじめた投資で損失が出てしまったときに、どのように対応するか。簡単なようで実際になってしまうと冷静に対応できないものです。
個人投資家の行動パターンを見ていると高値で買って、安値で手が出なくなる方が多いようです。先月は個人投資家が下落局面で買い始めるという動きも見えましたが、感情的に市場の熱狂に乗ってしまう失敗は後を絶ちません。
■ 逆境時にこそ真価が問われる
逆に投資がうまくいかなくて途中で自暴自棄になったり、あきらめてしまうというのも気持ちは良くわかります。しかし、辛いポジションの中でしぶとく粘って少しでも向上させようとする努力が将来の自分への自信になるのではないでしょうか。
例えば、NYのテロの時に金融市場は大きく混乱し株価は下落しました。当時、新たなテロへの恐怖の中、投資を続けるのは精神的に厳しい状態でしたが、結果的にあの状況下でも投資を続けた投資家は大きな自信と投資成果を得ることができました。
自信というのは「あんなに辛い時期でも、自分は続けることができた」という長期投資への自分のコミットメントが確認できた時、生まれます。
投資も相場が上昇しているときは誰でも儲かります。問題は下落したときの対応です。預言者でなければ、いつが相場のピークでいつが底かを当てることはできません。多くの投資家に必要なことはそんな相場の転換点を当てにいくことではなく、下がった時どう対応するか。逆境時の対応能力です。
逆境に陥った時、感情的になるのではなく「将来、今を振り返ったとき、後悔しないためにはどう行動したら良いのか?」を冷静に自問しながら行動してみることでこうした自信を得られるようになっていくと思います。
■ 淡々麺で乗り切る
今週、拙書「内藤忍の「好き」を極める仕事術」が出版されました。その中で、マネックス創業の頃の話を紹介させていただきました。投資ではなく仕事での逆境ですが、ピンチのときに救ってくれたのは、「淡々麺」というキーワードでした。中華のタンタンメンをもじったものですが、達観して自分のやるべきことを淡々と続けようというメンタルコントロールのためのキーワードが自分の感情的な行動を抑制してくれたのです。
キーワードに限りませんが、人生でも投資でも逆境時の自分のメンタルコントロールの手段を持っておくことは将来にプラスをもたらすのではないかと思います。
今回はメンタルな話になってしまいましたが、実はこのような感情のコントロールこそが投資の成果に大きな影響を与えるのではないかと、最近考え始めています。投資成果を向上させるヒントがないか、研究してみたいと思っています。
今回の話のまとめ---------
■ 長期で続けているとうまくいかない時が必ずある
■ 逆境でこそ真価が問われる
■ 感情のコントロールが長期の成果に影響する
ではまた来週・・・。
(本コラムは、筆者の個人的意見をまとめたもので、筆者の所属する組織の公式な見解ではありません。)
内藤 忍
株式会社マネックス・ユニバーシティ 代表取締役社長
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