2002年1月11日から2011年8月19日までマネックスメールに連載した マネックス・ユニバーシティ代表取締役(※連載当時)内藤忍の資産設計コラム。(現在は更新しておりません)
最強のマネー誌「日経マネー」が今週発売号から全面リニューアルしました。
4年前から連載コラムを掲載していますが、そちらも今回から「カジュアル分散投資」という新タイトルに。2ページのカラーでお届けします。マネックス・ユニバーシティの特典動画にも出演いただいているイボットソン・アソシエイツ・ジャパンさんの協力によって、データを駆使したパワフルな内容で毎回お届けしたいと思います。ご一読いただければ幸いです。
さて、そんな新連載の第一回目のテーマはズバリ「分散投資は有効か?」でした。というのは、アセットクラスの相関が高まり、分散投資をしていても意味が無いのでは?と思う方が増えているように思えるからです。
■ 過去データで分析
変動相場制に移行してからのマーケットの動きを見ると、日本株が大きく下落した局面が今回を含め何回かあります。そんな過去の変動時のその後の動きを調べてみることは、今回の下落のこれからを予想するのに役立ちます。
多くの場合、直近の高値からの下落率は30-40%程度、2000年のITバブル後の下落局面が最悪のケースでマイナス幅は50%強でした。例外はありますが、大幅な下落から回復までには数年の時間がかかることがわかります。
■ 分散投資
同じ時期に分散投資をしていたらどうなったでしょうか。日本株だけではなく、外貨資産、債券などを組み合わせて比較してみると、下落幅が小さくなり、回復までの期間が2年程度短くなっています。
1つの資産に集中するのではなく、相関の低い資産を組み合わせることによって、資産のブレを小さくすることができ、マイナスを短期間に取り戻すことができるのです。
■ 分散効果は弱まっている?
一方でここ数年のデータを見ると各アセットクラスの相関が高まってきており、分散効果が薄れているのではないかという指摘があります。確かに、相場がパニック的な状況になり「質への逃避」が発生した先月のような環境では、すべてのリスク資産が価格下落となり現金へシフトします。相対的に強い通貨ということで円高が進み、日本の投資家にとっては短期的に分散効果が薄れたのは事実です。
このような資産の同方向への動きが、構造的なものなのか、それとも一時的な現象なのかは、もう少し長い期間のデータを見てみないと結論を出せないと思います。というのもこのような相関係数の上昇は、過去の相場の混乱期にも見られた現象だからです。分散投資手法の再検討が必要かどうかを判断するには時間が必要です。
しかし、分散効果がゼロになったわけではなく、今回も分散を行っていた人と集中投資をしていた人の間には大きな差が出たことは事実です。分散投資が基本の投資方法であることには、変わりはありません。
今回のコラムの詳しい内容にご興味ある方は、本日発売のリニューアルした日経マネー1月号の連載ページをご覧ください。
澤上さんから勝間さんまで強力連載陣でリニューアル 日経マネー最新号http://nikkeimoney.jp/renewal.html
今回の話のまとめ---------
■ 過去データでは分散投資の効果は検証されている
■ 具体的な分散方法については、研究が必要
■ 分散投資はマネー運用の基本であることは変わらない
ではまた来週・・・。
(本コラムは、筆者の個人的意見をまとめたもので、筆者の所属する組織の公式な見解ではありません。)
内藤 忍
株式会社マネックス・ユニバーシティ 代表取締役社長
http://www.monexuniv.co.jp
これから投資を始める人が今日から使える「投資手帳」
http://www.monexuniv.co.jp/service/book_dvd/index.html#book3
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