シニア世代の56.2%が退職後に後悔していること

2002年1月11日から2011年8月19日までマネックスメールに連載した マネックス・ユニバーシティ代表取締役(※連載当時)内藤忍の資産設計コラム。(現在は更新しておりません)

シニア世代の56.2%が退職後に後悔していること

多くの方の資産運用の目的は、老後資金のため、だと思います。退職後のお金についてどんなことに気をつけた方が良いのか?それを地道なアンケート調査を積み上げてまとめたのが、フィデリティ投信株式会社フィデリティ退職・投資教育研究所の野尻哲史さんです。調査結果は書籍にもなっています。
「退職金は何もしないと消えていく」野尻哲史著
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4062725401?ie=UTF8&tag=monexuncojp-22&linkCode=as2&camp=247&creative=7399&creativeASIN=4062725401

 今回、野尻さんにマネックス・ユニバーシティのEラーニング受講者特典動画にご出演いただきました。目的は、将来シニア世代になる時に向けて、お金に関して今のうちにやっておくべきことは何かをお聞きするためです。対談形式でわかりやすく解説していただきましたが、書籍を合わせてご覧いただくと、より理解を深めることができると思います。動画は、前半のデータ編と後半の実践編、合わせて1時間の動画です。

【特典動画】経済的自由を手に入れるための必勝法(受講者限定です)
http://www.monexuniv.co.jp/new/2009/5_16.html
(2月23日公開予定ですが、それ以降にお申し込みいただいてもご覧になれます)

 今回は、野尻さんとの対談の中で、本コラム読者の皆様のお役立てると思われる部分をご紹介します。

■ 人生には3つのステージがある
 人生とお金の関係から考えると、3つの時期に分けて考えることができます。定年まで、と定年後の前半と後半の3つです。野尻さんは、老後を60歳から75歳までのシニア前半期と、それ以降をシニア後半期に分けることを提案しています。これは厳密な区分ではありませんが、シニアライフと言っても定年直後と高齢になってからではライフスタイルも資産運用も随分変わることを意識するためです。

 定年直後は定年前とあまり変わらないライフスタイルを続けていても、年齢と共に変わっていきます。自分の親を見ていてもわかりますが、高齢になれば外出することも減ってきます。海外旅行なども行きたがらなくなりますし、食事の量も減ってきます。家にいてのんびり時間を過ごすことが多くなり、病気さえしなければ、お金のかからない生活になっていきます。

 年齢と共に資産運用の方法も手間がかからずリスクの少ない方法にシフトしていく必要があります。3つのステージに分けることで、世代に合った資産運用の方法を考えることができるのです。

■ 仕事をやめてもライフスタイルは変わりにくい
 アンケート結果で興味深かったのは定年後の生活水準が思ったより下がっていないという感想を持つ人が意外に多いことです。定年退職したら生活を切り詰めて支出を減らす、と思うのですが、現実はそれほど単純ではないようです。
 これは経済学のラチェット効果によって説明することができます。ラチェット効果とは、所得が減少しても、消費はしばらくそれほど減らず、消費水準を維持しようとする傾向を指します。ライフスタイルは、一旦向上してしまうと、下げにくいという下方硬直性があるのです。

 とすれば充実した生活を続けるためには定年後の一定水準の生活の維持を真剣に考えておく必要があります。

■ もっと勉強しておけば良かった
 野尻さんのお話の中で一番響いたのは、シニア世代の56.2%が投資に関して「もっと早くから勉強しておけば良かった」と後悔しているという結果が出ていることです。

 投資をする、投資をしない、老後の資金の活用方法に関しては様々な考え方があると思います。ただいずれにしても現時点で自分の老後資金についてどのような生活が想定されるのかについて考えておくことは後から後悔しないために重要なことだと思いました。

 老後のお金に関しては、いつから考えても早すぎるということはありません。20代の方でも、40年後を想定しておくことは、後から後悔しないために大切なことです。

今回の話のまとめ---------
■ シニアの資産運用は2つのステージに分けて考える
■ ライフスタイルは仕事をやめても急には変えられない
■ シニアのお金について、できるだけ早くから考えておこう

ではまた来週・・・。

(本コラムは筆者の個人的意見をまとめたものであり、筆者の所属する組織の意見ではありません。)

内藤 忍
株式会社マネックス・ユニバーシティ 代表取締役社長
http://www.monexuniv.co.jp/

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