日本株に投資するならアクティブ、それともインデックス?

2002年1月11日から2011年8月19日までマネックスメールに連載した マネックス・ユニバーシティ代表取締役(※連載当時)内藤忍の資産設計コラム。(現在は更新しておりません)

日本株に投資するならアクティブ、それともインデックス?

今月からマネックス証券で投信つみたてクラブが始まりました。投資信託の積立をしているお客様向けに、様々な情報提供をして、一緒に資産を殖やしていこうという目的で作ったものです(対象者の方は自動登録されます)。
マネックス「投信つみたてクラブ」発足宣言!
http://www.monex.co.jp/AboutUs/00000000/guest/G800/new2009/news906c.htm
 先々週、日経平均が1万円を一時回復した頃から、「そろそろ積立を再開したいと思うのですがどうでしょうか?」という相談が増えました。昨年のリーマンショック以降、怖くなって積立を一時的に中止していた方が、また始めようか、と思い始めているのです。しかし、何とも勿体無い話です。下がったところでは、途中でやめてしまい、上がると積立をまたはじめる。これでは本来の積立のメリットである「安いところでたくさん買う」ことができません。
 つみたてクラブの目標は、そんな積立のタイミングを考えて下がるとやめてしまう個人投資家の方に下落局面でも続けていただけるようにすることです。
■ 1回目の澤上篤人さんと、2回目の深野康彦さんの共通点は?
 メンバーの方には毎月の対談動画を配信しています(メンバー全員にメールで視聴方法をお知らせしています)。初回のゲストは澤上さんでした。「つみたて」応援メッセージということで2本の限定動画を撮影(6分程度です)。積立の効果を熱くわかりやすく説明していただきました。

 そして、昨日は第2回のゲスト、FPの深野康彦さんと対談させて頂きました。実は深野さんご自身も金(ゴールド)の積立をもう20年近く続けているそうで、積立派を実践。金の積立で投資金額は2倍以上に殖えているそうです。

 積立派であるということだけではなく、澤上さんと深野さんの共通点はもう1つありました。それは、日本株はアクティブ運用せよ、という意見です。
■ アクティブ運用でインデックスに勝つ確率は?
 積立を続けるべき、という点については私も全面賛成ですが、運用の方法についてはゲストにいらしたお2人の意見は、私とは逆のようです。

 「初心者は株を買うな!」に書いたように、私は最初はインデックスを基本に運用を始めた方が良い、と思っています。

「長期・分散・低コスト・インデックス・積立」で実践する投資指南書
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4532260442?ie=UTF8&tag=monexuncojp-22&linkCode=as2&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4532260442

 私自身、インデックス運用がベストだと思っている訳ではありません。インデックス自体の問題(銘柄入替、割高な銘柄は比率が高くなる)もありますし、明らかに投資したくない会社もインデックスに入っていたりします。しかし、投資に値する会社だけを市場全体から選択することができるのか、についてはそれほど簡単なことではないと思っています。

 書籍でも紹介しましたが、過去3年で日本株のアクティブファンドでインデックスを上回るものは全体の20%以下という結果になっています。アクティブ運用の難しさがご理解いただけると思います。

 「アクティブ運用でインデックス以上の結果を出せれば、それに越したことはないが、現実にはかなり難しい」ということです。

■ 人がやらないでロボットがアクティブ運用したらどうなる?
 アクティブ運用がうまくいかない理由の1つは心理的な問題です。個人投資家だけでなくプロの投資家も、感情に支配されており、それが投資のリターンを悪化させている可能性は高いと思います。

 今週マネックス証券が発表したカブロボファンド(愛称)は、人間の感情を排除できるロボットによる意思決定で運用するファンドです。感情に支配されず意思決定を行うロボットの投資判断が、人間の判断に比べ高い成果を継続的に出すことができるのかどうか注目です。

カブロボファンド説明画面
http://www.monex.co.jp/AboutUs/00000000/guest/G800/new2009/news906x.htm
 ただし、ロボットが収益機会を見つけ続けられるのか、儲けられないロボットはどういう基準で引退するのか、売買頻度が多過ぎて取引コストの問題は発生しないか、運用サイズ拡大によるマーケットインパクトの問題は無いのか、など様々な疑問もあります。

 これまで投資手法は、インデックス、プロの人間が運用するアクティブ、自分で運用するアクティブと3つに分類してきましたが、ロボットが運用するアクティブという「第4の運用手法」が確立するのか?これからの情報開示を楽しみに待ちたいと思います。 

今回の話のまとめ---------

■ 積立による時間分散投資は続けてこそメリットがある

■ アクティブとインデックスのどちらを選択するかは永遠のテーマ

■ ロボットが運用するアクティブは感情的にならない分有利かもしれない
では、また来週・・・。

(本コラムは筆者の個人的意見をまとめたものであり、筆者の所属する組織の意見ではありません。)

内藤 忍
株式会社マネックス・ユニバーシティ 代表取締役社長
http://www.monexuniv.co.jp/

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