1000円から出来る投資、1000万円以上の人のための投資

2002年1月11日から2011年8月19日までマネックスメールに連載した マネックス・ユニバーシティ代表取締役(※連載当時)内藤忍の資産設計コラム。(現在は更新しておりません)

1000円から出来る投資、1000万円以上の人のための投資

 マネックス証券をはじめとする大手ネット証券は、1999年の株式売買手数料完全自由化から本格的に証券ビジネスに参入し成長してきました。今年で丁度10年ということになります。

 未だに株式手数料の値下競争をしているところもありますが、投資信託を使った分散投資を中心に投資をしている個人投資家から見れば、むしろサービスや利便性の向上を進めて欲しいというニーズが強いように思います。
■ 毎月1万円で積立をするにはどうするか
 例えば、投資信託の最低積立金額です。ほとんどの金融機関は最低投資金額が1万円になっていますが、これを思い切って1000円に引き下げられないでしょうか。1000円から積立ができる独立系の直販投信会社が私の知る限り、1社だけありますが、残念ながらその会社で買えるファンドは1本しかありません。

 投資信託の最低購入金額を1000円に下げるのは、毎月の投資金額を少なくするためではありません。毎月1万円や2万円といった金額で積立をする個人投資家にも、複数のファンドを毎月組み合わせて購入することができるようにするためです。

 なぜなら例えば1万円で積立ということになると、分散投資をするためには、

・バランス型ファンドを購入する
・毎月違ったファンドをバランス良く購入して、分散投資する

 という2つの方法しか無いからです。

 バランス型ファンドは確かに便利ですが、自分で資産配分と投資するファンドを決めたいという人には向かない方法です。また、毎月購入するファンドを変更するのは手間がかかり、積立の利点である自動的に買い付けるというメリットが使えません。もし、1000円からの積立が可能になれば、例えば
STAM TOPIXインデックス・オープン    2000円
STAM 国内債券インデックス・オープン   2000円
STAM グローバル株式インデックス・オープン 2000円
STAM 新興国株式インデックス・オープン  1000円
STAM グローバル債券インデックス・オープン 1000円
ニッセイコモディティファンド 1000円
STAM グローバルREITインデックス・オープン 1000円

 というように1万円でも自分で組み立てて積立ができるのです。つみたてクラブ応援団長としては、是非実現してもらいたいところです。

投信積立をみんなではじめよう 「つみたてクラブ」
http://www.monex.co.jp/AboutUs/00000000/guest/G800/new2009/news906c.htm
■ オーダーメイドのコンサルティングサービス
 投資信託の投資単位を引き下げと並んで、ニーズが高いと思うのは、投資相談ではないかと思います。ある程度の資産を保有している方に、銘柄の推奨ではなく、オーダーメイドでコンサルティングや情報提供をするサービスです。
 マネックス・ユニバーシティで「ポートフォリオ診断」という動画でのコンサルティングサービスに人気が集まりました。これは、個人投資家の方から送られた資産状況を題材に、分析を行うサービスです。やはり、個別事例の相談というのは誰でも聞いてみたいものです。

 金融資産が1000万円を超える個人投資家の方は、ファイナンシャルプランナーのような専門家への相談をしてみるべきだと思います。ただし、日本にはFPが20万人近くいるそうですから、誰に相談したら良いか、どうやってコンタクトしたら良いかもわからないのです。

 ネット証券が、自社で相談員を抱えるのではなく、外部の優秀な方とネットワークを構築し、希望者の方に紹介する。そんな方法なら、満足できるサービスが提供できるのではないでしょうか。

■ これからも自分たちが欲しいと思うものを作る会社でいるために
 今回、新しいサービスとして提案したものは、私自身があったら良いな、と勝手に思っているものです。

 そもそも、マネックスの原点は
「私たち個人に必要な最良の金融サービスを私たち自身の手で作っていこう」ということからはじまりました。供給者の論理ではなく、個人投資家の視点で発想することが、マネックスという企業グループの存在価値でもあります。
マネックスの原点
http://www.monexgroup.jp/jp/group/business_principles/index

 マネックス証券の今後のサービス展開に期待すると共に、この原点はしっかり守っていきたいと思います。

今回の話のまとめ---------

■ 1000円で投信積立ができれば分散投資の世界が広がる

■ コンサルティングニーズに対してはオーダーメイドのサービスを

■ マネックスの原点を追求し続けることがマネックスの存在価値になる
では、また来週・・・。

(本コラムは筆者の個人的意見をまとめたものであり、筆者の所属する組織の意見ではありません。)

内藤 忍

株式会社マネックス・ユニバーシティ 代表取締役社長
http://www.monexuniv.co.jp/

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