投資信託1000円時代に考える新しい投資戦略

2002年1月11日から2011年8月19日までマネックスメールに連載した マネックス・ユニバーシティ代表取締役(※連載当時)内藤忍の資産設計コラム。(現在は更新しておりません)

投資信託1000円時代に考える新しい投資戦略

ネット証券の競争が日本株から投資信託にシフトしつつあるようです。マネックス証券は、STAMシリーズなどの最低購入金額引き下げを行い、さらに昨日、低コストインデックスファンド「イーマクシス」シリーズの取り扱いも開始しました。


STAMシリーズなど1000円から購入可能に

http://www.monex.co.jp/AboutUs/00000000/guest/G800/new2009/news912a.htm

お待たせしました!「イーマクシスシリーズ」マネックスで取扱い開始

http://www.monex.co.jp/AboutUs/00000000/guest/G800/new2009/news912j.htm
ネット証券で購入する投資信託は1000円というのが、大手3社では標準となりつつあります。

※余談ですが、「eMAXIS」(イーマクシス)は名前を間違える人が多そうです。イーマックスと言っている人が既に何人か。。。


■最低購入単位引き下げは積立のためにある

この最低購入単位の引き下げで最もメリットを感じるのは、積立で投資をしている堅実投資派の皆さんです。毎月の積立金額が1万円の場合、今までは1つの商品しか選択できませんでしたが、1000円から積立できる商品を使えば、最大10種類で組み合わせることも可能です。

マネックス証券で言えば、1万円で分散投資の場合、今までなら資産設計ファンド(育成型)を選択していたのが、これからはSTAMシリーズやイーマクシスシリーズを使うことができます。


<今までの商品選択例>

マネックス資産設計ファンド 1万円


<これからの商品選択例(イーマクシスを使う場合)>

eMAXIS TOPIXインデックス 2000円

eMAXIS 先進国株式インデックス 2000円

eMAXIS 国内債券インデックス  2000円

eMAXIS 先進国債券インデックス 1000円

eMAXIS 国内リートインデックス 1000円

eMAXIS 新興国株式インデックス 1000円

MRF(待機資金として) 1000円


■気をつけよう!3つの積立がすべて1000円からではない

1000円からの積立といっても、いくつかの制約条件がありますから注意が必要です。

まず、すべての投資信託が1000円からになった訳ではありません。対象になっているのはマネックスでは3つのシリーズだけです。

また、マネックス証券の場合、積立の方法には3つがあります。

「マネックスの証券口座から」・・・MRFから

「セゾンカードの引落口座から」・・セゾンカードの引き落とし口座から
「銀行(金融機関)口座から(銀行積立)」・・・銀行口座から

しかし、イーマクシスシリーズでは銀行口座からの引き落としによる積立はできません。またSTAMシリーズは、銀行から引き落としによる積立の申込単位は、10,000円以上となっています。これは、引き落とし手続きの際に銀行に支払うコストが少額の場合、カバーできないのが原因と思われます。


■買付金額引き下げの成否は個人投資家次第

低コストのインデックスファンドは、極めて利の薄いビジネスです。ノーロードで販売手数料はありませんし、信託報酬も低いからです。

それに加え、引き落としの際の手数料を負担することになると、更に収益性が低くなります。積立金額が小さいと赤字になる可能性もあります。このような継続性の無いビジネスを一時的に提供しても、最終的には投資家のメリットにならないと言えます。

そろそろネット証券の競争は、ミクロなコスト競争から個人投資家のためのサービスで個性を競うことで行って欲しいと思います。投資の最終的な成果への影響は、コンマ数%のコストの引き下げではなく、商品の使い方の方が大きいからです。

例えば、投資の学校のような5分で学べる動画を使って、気軽に投資の勉強を始められるようなサービスです。


5分見るだけ。ネットでできる無料の動画

http://camp.monex.co.jp/#/school

個別商品のコスト比較ではなく、それらをどう賢く使いこなすかを考えることに時間を使うようにしましょう。

【お知らせ】ライフネット生命の岩瀬大輔さんたちと14日にセミナー開催します
http://www.jlh.jp/1214/


今回の話のまとめ---------

■ 投資信託は1000円時代へ。ネット証券はコストからサービス競争へ

■ 購入金額を引き下げるのではなく投資対象の分散に使う

■ 最低投資金額引き下げは積立をしている人に威力が大きい 

では、また来週・・・。

(本コラムは筆者の個人的意見をまとめたものであり、筆者の所属する組織の意見ではありません。)

内藤 忍

株式会社マネックス・ユニバーシティ 代表取締役社長

http://www.monexuniv.co.jp/

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