その412 インデックスとアクティブ、両方をやりたい欲張りな方へ

2002年1月11日から2011年8月19日までマネックスメールに連載した マネックス・ユニバーシティ代表取締役(※連載当時)内藤忍の資産設計コラム。(現在は更新しておりません)

その412 インデックスとアクティブ、両方をやりたい欲張りな方へ

3月24日に、マネックスの投資本が出版されました。『60歳までに1億円つくる プロが教える「実践」マネー戦略』という長いタイトルのムック本です。
マネックス証券のチーフ・エコノミストの村上、チーフ・ストラテジストだった羽賀、そしてマネックス・ユニバーシティの内藤の3人で協力して制作しました。

本書は、昨年出版した「60歳までに1億円つくる術」(幻冬舎新書)をベースにしており、タイトルもとても似ていますが、今回はムック本で図解を増やし読みやすさを重視しました。

「お金の方程式」や「投資のマインドセット」といった投資を始める前の心構えや、インデックスファンドを使った長期分散投資の方法だけではなく、シナリオをベースにしたアクティブな投資方法を紹介しているところが、最大のウリになっています。

Part1からPart4までに分かれ、投資の基本から投資判断の方法まで、幅広い内容をコンパクトに詰めました。

■ 投資の基本をPart1で知る

Part1は投資に関する普遍的な知識をまとめました。例えば、投資はリターンではなくリスクから考える、自分がどこまでリスクを取れるかを知っておく、といった当たり前だけど忘れがちなことです。

そして投資の5つの原則「長期」「分散」「インデックス」「低コスト」「積立」についても説明しています。

■ インデックス運用の基本をPart2で学ぶ

Part2は具体的なインデックスファンドを使った長期分散投資の方法を解説しています。年7%の投資を目標に、証券会社の選び方から、10万円で始める投資法、100万円で投資をする場合の資産の移行方法、1万円、2万円、5万円、10万円それぞれの金額別の積立の方法、モニタリングとリバランスまで・・・とかなりの内容を盛り込みました。

またバランス型ファンドの使い方も紹介し、3つのファンドの比較も行っています。

Part1とPart2は内藤が担当しました。

■ 経済指標の見方をPart3で磨き上げる

Part3はマネックス証券のチーフ・エコノミストの村上が担当しています。ここからは、マクロ経済のプロの分析方法を紹介し、基本的なアセットアロケーションをシナリオに沿ってアクティブに変化させていく方法を解説しています。
景気循環の見方やメディアの報道への対応方法など、個人投資家の投資判断の参考になる情報がたくさんあげられています。

後半は、これから考えておくべき3つのシナリオがあげられています。
世界経済が順調に回復する
新興国へのパワーシフト
世界的な景気過熱によるインフレ

決め打ちをするのではなく、可能性を考えるというアプローチ法は参考になると思います。

■ 商品の選び方をPart4で極める

Part4はマネックス証券のチーフ・ストラテジストだった羽賀が執筆しました。ファンドマネージャーとしての投資経験が活かされた実践的で具体的な内容になっています。その中でファンド選びの7つの戦略が役に立ちます。

<7つの戦略>

新規のテーマ型ファンドはすぐに買ってはいけない
割安に放置された業種・テーマに注目する
6ヶ月先までのシナリオを立てて投資する
チャートよりも指標銘柄の動きを見る
外国人投資動向に注目する
アクティブファンドは乗換えも視野に入れる
欲はかかない

インデックスファンドを使った長期投資をしている方で、アセットアロケーションに自分の相場感を入れて投資の成果をさらに向上させたいという個人投資家の方には、参考になる内容です。

マネックスメールの読者の方に是非書店で手にとってご覧いただければと思います。また、プレゼントの企画もやっていますのでこちらもご応募ください。
新刊書籍プレゼントのご案内
http://www.monex.co.jp/AboutUs/00000000/guest/G800/new2010/news1003A.htm
ところで、Part4を担当した羽賀誠さんは、本書の原稿が完成した直後に急逝されました。前日まで、元気に今回の書籍の表紙の写真を撮影していたのに、突然の出来事で、今でも信じられません。

あまりに突然だったせいか、今でもPart4の羽賀さんの原稿を読んでいると、あの人懐っこい笑顔が本の向こうに浮かんできます。もう一緒に仕事ができないのはと
ても残念で悲しいことですが、この本には羽賀さんのプロのストラテジストとして
の魂がこもっていて、それはずっと残っていくものだと思います。

3人が、限られた時間で一生懸命作った作品です。是非ご一読いただき、投資のお役に立てていただければ幸いです。

今回の話のまとめ---------

■ 投資の基本はインデックス、その上で余裕があればアクティブ

■ アクティブは銘柄選択より、まずは資産配分ではじめる

■ 経済分析を商品選択にどう反映させるかがアクティブのポイント


では、また来週・・・。

(本コラムは筆者の個人的意見をまとめたものであり、筆者の所属する組織の意見ではありません。)

内藤 忍
株式会社マネックス・ユニバーシティ 代表取締役社長

マネックスからのご留意事項

「資産設計への道」では、マネックス証券でお取扱している商品・サービス等について言及している部分があります。
マネックス証券でお取引いただく際は、所定の手数料や諸経費等をご負担いただく場合があります。お取引いただく各商品等には価格の変動等による損失が生じるおそれがあります。また、信用取引、先物・オプション取引、外国為替証拠金取引・取引所株価指数証拠金取引をご利用いただく場合は、所定の保証金・証拠金をあらかじめいただく場合がございます。これらの取引には差し入れた保証金・証拠金(当初元本)を上回る損失が生じるおそれがあります。

商品ごとに手数料等及びリスクは異なりますので、詳しくは「契約締結前交付書面」、「上場有価証券等書面」、「目論見書」、「目論見書補完書面」又は当社ウェブサイトの「リスク・手数料などの重要事項に関する説明」をよくお読みください。

マネックスメール登録・解除

コラム一覧