2002年1月11日から2011年8月19日までマネックスメールに連載した マネックス・ユニバーシティ代表取締役(※連載当時)内藤忍の資産設計コラム。(現在は更新しておりません)
最近、外部の企業様からのセミナーや講演の依頼が増えています。先月は、とある大手企業の社員の皆さま向けのセミナー講師を担当しました。確定拠出年金制度(DC)が導入されるタイミングで開催された社員向けの投資に関するセミナーです。
ちなみに確定拠出年金は英語でDefined Contribution(略称DC)と呼ばれます。確定拠出というのは掛け金が決まっているが、将来の年金受取額は運用の巧拙によって決まるという意味です。従来、多くの企業で採用されていた確定給付年金(将来の年金額が決まっている制度)とは逆の仕組みです。
この会社ではDC制度の導入に伴い、新しい制度の説明や運用商品の選び方について金融機関からの説明があったようですが、短い時間で一通りの説明を聞いただけではなかなか理解できないという意見を聞きました。
将来の年金の受取額が自分の意思決定によって変わってくるのですから、やはり十分な知識を得て、後から後悔しない選択をしておくべきでしょう。
■DC制度の導入は従業員にとってメリットかデメリットか?
DC制度導入と聞くと、従業員にとっては何だか面倒なものに思えますが、実際導入した企業ではどんなことが起こっているのでしょうか。
今週、DC制度に関してフィデリティ退職・投資教育研究所がレポートを発表しました。レポートの結論は一言で言えば、
確定拠出年金制度は投資に良い影響をもたらす
というものでした。
調査結果によれば、DCに加入している人は、公的年金の給付額など年金制度の理解度が高く、自分の生活費についても退職後まで明確な見通しを持っている人が多いというデータになっています。
老後の生活資金のことなど日常生活では考える機会はなかなかありませんが、DC制度への加入がきっかけになって意識改革する方が多いのが理由と推察されます。
意識改革によって結果にも差が出ているようです。
例えばアンケートによると、退職後の資金の準備額はDC制度加入者が平均783万円、一方の非加入者は469万円と大きな違いが出ました。DC制度加入者の方が積極的に将来への準備を進めていることがわかります。
また、投資に対するスタンスもDC制度加入によって大きく変わるようです。資産運用や貯蓄をしている人の比率は非加入者より高く、非加入者では40%以上が何もしていないという回答になりました。
1万人規模の本格的な調査ですが、詳細レポートは下記でご覧いただけます。
詳しい結果はこちら フィデリティ退職・投資教育研究所レポート
http://www.retirement.fidelity.co.jp/pdf/report201004DC_invest_edu.pdf
■ 「最初のアクション」と「継続の仕組み」が未来を変える
ではナゼDC制度によって変化が生まれるのでしょうか?それは「最初のアクション」と「継続の仕組み」がパッケージされているからだと思います。
DC制度に加入している人の中には会社が制度として導入したから、仕方なく投資について考え始めるという人が多いと思います。年金のことなんて先のこと、と「他人事」に考えていた人が、DC加入で「自分事」に変わるのです。
また一旦始めると、毎月の給与天引で自動的に続けられるような仕組みができています。DC制度に加入していることさえ忘れているような方でも知らないうちに積立で続けることができるのです。
このように投資には「最初のアクション」と「継続の仕組み」の2つが必要です。アクションを起こすきっかけが無いといつまで経っても始めることはありませんし、せっかく始めても途中でやめてしまっては意味が無いからです。
DC制度に加入できないという方でも、この投資に必要な2つものはネット証券で手に入れることができます。マネックス証券を例に取ればこうなります。
<最初のアクション>
口座開設の各種キャンペーンをチェックしてみましょう。4月は新年度ということで、やる気になったら一気にアクションを起こすことが大切です。
口座開設キャンペーン
http://www.monex.co.jp/Etc/topslide/guest/G800/campaign/20091028.htm
お友達紹介プログラム
http://www.monex.co.jp/ServiceInformation/00000000/guest/G100/srv/okyakusama_syokai.htm
<継続の仕組み>
続けるためには、1年前からはじまった「つみたてクラブ」を使いましょう。約3万人の仲間がもう始めています。
マネックス「投信つみたてクラブ」
http://www.monex.co.jp/AboutUs/00000000/guest/G800/new2009/news906c.htm
このようにちょっとしたきっかけでアクションを起こし、継続すれば自分の未来は変えられるのです。
今回の話のまとめ---------
■ DC制度加入者はお金の知識を持ち、将来に備えている比率が高い
■ 知識よりも「自分事」と感じ、アクションを起こしていることがその原因
■ お金に対するアクションと継続で、未来は変えられる
では、また来週・・・。
(本コラムは筆者の個人的意見をまとめたものであり、筆者の所属する組織の意見ではありません。)
内藤 忍
株式会社マネックス・ユニバーシティ 代表取締役社長
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