その426 投資情報を英語で収集できるようになる方法

2002年1月11日から2011年8月19日までマネックスメールに連載した マネックス・ユニバーシティ代表取締役(※連載当時)内藤忍の資産設計コラム。(現在は更新しておりません)

その426 投資情報を英語で収集できるようになる方法

最近、日本企業が社内公用語を英語にすると発表して、注目を集めています。楽天やファーストリテイリング(ユニクロ)といった日本を代表する元気な企業が発表しているのも話題になっている一因かもしれません。

投資の世界でも英語の重要性が強まっています。リーマンショック以降、今年に入ってからのギリシア危機など、国外要因によって相場が動くことが多くなりました。日本国内のメディアでも報道されてはいますが、情報の質、量、そしてスピードで不足する部分も出てきています。

また、日本の株式市場の相対的な地位も低下し、日本の個人投資家の投資対象が国内から海外へシフトしていることも海外投資情報の重要性を高めています。

■英語の経済記事を読む習慣をつける

英語に苦手意識を持つ日本人は多いのですが(私もその一人です)、投資情報の収集に必要なのは読む力ですから、文法と読解中心で英語学習をしてきた日本人にとって、実は得意分野のはずです。

後は慣れの問題です。投資関連のニュースを読む習慣をつけるのに良いのが、毎日の海外のマーケットニュースです。

例えば、ヤフーファイナンスのアメリカ版サイトには、東京の早朝になると米国マーケットの相場概況記事が掲載されています。これを毎朝、読む習慣をつけるというのはどうでしょうか?

ヤフーファイナンスUSの今朝のマーケット記事
http://finance.yahoo.com/news/Stocks-climb-for-3rd-day-apf-2073228932.html?x=0&sec=topStories&pos=4&asset=&ccode=

記事を見ると文章が長く、読むのが大変と思う方もいるでしょうが、慣れてくると同じような単語が毎回繰り返し出てくるのがわかります。最初は、一段落だけ、しばらくしたらもう一段落というように増やしていっても良いでしょう。

マネックス・ユニバーシティでは英単語の勉強をする連載もありますので参考にしてください。

例えば「Bottom Out」ってどういう意味?投資の英単語を1つずつ学ぶ
http://lounge.monex.co.jp/advance/word/

■もっと実践的に勉強するならこのサイト

海外のマーケットニュースより、もう少し長期スパンで投資のテーマを知るには雑誌や新聞のコラムを読むのが良いと思います。とはいってもこちらはさらに手強いです。フィナンシャル・タイムズ、ニューヨーク・タイムズ、エコノミストといったメディアは、高い英語の知識が求められます。

例えば、日本ビジネスプレスというサイトでは、フィナンシャル・タイムズ、エコノミストの英文記事をピックアップして、スピーディに完全日本語訳を行い、無料で掲載しています。すべての記事をカバーしている訳ではありませんが、これは役に立ちます。

翻訳記事が無料で読める日本ビジネスプレスのサイト
http://jbpress.ismedia.jp/

例えば、下記の2つのリンク先は、英文記事とその訳になっています。2つを見比べながら、記事を読むと理解が深まります。

「Equities are still suffering from a valuation hangover 」(原文)http://www.economist.com/node/16479024

↓ これが日本語訳ではこうなります

株式はまだバリュエーションの二日酔いに苦しんでいる(日本語訳)
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/3918

日本語訳だけ読んでいては英文記事を読めるようにはなりませんが、英語の記事と比較しながら読むと、補助輪を付けて自転車に乗るような感覚ではじめることができます。

マネックス・ユニバーシティでは、個人投資家の皆様のために、下記のような講座もテスト的に開始しました(こちらは既に募集終了ですが、ご要望が多ければまた開催します)。

同時通訳者、関谷英里子さんと学ぶ海外メディア活用術
http://www.monexuniv.co.jp/service/seminar/2010/06/the_economist.html
英語も投資も共通するのは、まずは小さく始めてみることが大切だということ。できることからはじめてみてください。

今回の話のまとめ---------

■ 投資情報の収集にこれから英語を「読む力」が重要になる

■ 専門用語を知るだけで英語の負担は随分軽くなる

■ 英語も投資も走りながら考えることが大切

では、また来週・・・。

(本コラムは筆者の個人的意見をまとめたものであり、筆者の所属する組織の意見ではありません。)

内藤 忍
株式会社マネックス・ユニバーシティ 代表取締役社長

マネックスからのご留意事項

「資産設計への道」では、マネックス証券でお取扱している商品・サービス等について言及している部分があります。
マネックス証券でお取引いただく際は、所定の手数料や諸経費等をご負担いただく場合があります。お取引いただく各商品等には価格の変動等による損失が生じるおそれがあります。また、信用取引、先物・オプション取引、外国為替証拠金取引・取引所株価指数証拠金取引をご利用いただく場合は、所定の保証金・証拠金をあらかじめいただく場合がございます。これらの取引には差し入れた保証金・証拠金(当初元本)を上回る損失が生じるおそれがあります。

商品ごとに手数料等及びリスクは異なりますので、詳しくは「契約締結前交付書面」、「上場有価証券等書面」、「目論見書」、「目論見書補完書面」又は当社ウェブサイトの「リスク・手数料などの重要事項に関する説明」をよくお読みください。

マネックスメール登録・解除

コラム一覧