2002年1月11日から2011年8月19日までマネックスメールに連載した マネックス・ユニバーシティ代表取締役(※連載当時)内藤忍の資産設計コラム。(現在は更新しておりません)
新年おめでとうございます。今年も本コラムを引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
2011年は皆さまにとってどんな1年になるのでしょうか?資産運用の観点からは、これから益々グローバル化が進んでいくのではないか、と個人的には思っています。その中でも、私が注目しているのは、人民元です。これは、今年1年というより、もう少し長期的なスパンでの話です。
例えば、こんな質問があったらどう思いますか?
<質問>ドル、ユーロ、円、人民元。自分の資産を4つの通貨のどれかで、これから10年保有するとしたらどの通貨を選びますか?
短期的には、ユーロには参加国の財政上の問題が先送りされたまま残っています。ドルについては強気な見通しを持っている人もいますが、QE2(第2弾の量的金融緩和)による副作用を心配する声もあります。
また、昨年はドルやユーロに対して上昇した円も、財政問題が今後為替市場に影響してくる可能性があります。
財政破綻ならドル円は1ドル=344円、日経平均は3076円?(バックナンバー)http://lounge.monex.co.jp/column/shisan/2010/12/10.html
つまり先進国の主要通貨には、それぞれに懸念材料があり、長期で保有するには不安材料があるのです。
人民元にももちろんリスクはあります。しかし、国の実質的な管理下で人為的に上昇が抑えられており、4つの通貨の中では、人民元が一番魅力的に見えるのは、私だけでは無いと思います。
マネックス証券フィナンシャル・インテリジェンス部による中国経済見通しhttp://www.monex.co.jp/AboutUs/00000000/guest/G600/new2010/news1012y.htm
では、日本の個人投資家が、人民元の資産を持つ方法には、どんな方法があるのでしょうか?
■ 国内で人民元外貨預金する方法
香港では、昨年の7月から個人でも人民元口座が開けられるようになったそうですが、日本国内での人民元の外貨預金も、いくつかの銀行で可能です。詳細については、それぞれの金融機関にお問い合わせください。
HSBCプレミア 人民元普通預金・定期預金サービスを提供開始(PDFファイル) http://www.hsbc.co.jp/1/PA_1_1_S5/content/website/jp/about_us/news_room/pdf/2010/cny-jp-4oct10.pdf
中国銀行在日支店 人民元業務サービス紹介
http://www.boctokyo.co.jp/jp/service_a_04.html
■ マネックス証券の人民元建て商品
マネックス証券でも、人民元建ての投資商品が登場しています。例えば、A株(中国本土市場において、人民元建てで取引が行われている株式)に投資をする投資信託があります。
A株は、原則、中国国内投資家向けの株式なので、海外からの投資は制限されています。ただし、2002年12月から中国国外からもQFII(適格国外機関投資家)制度で認められた機関投資家に限り、投資が認められるようになりました。この制度を使った商品です。
中国A株ファンド
http://www.monex.co.jp/FundGuide/00000000/syohin/tousin/kihon/guest?MeigCd=%20%200038000000
また、中国の債券に投資をする投資信託もあります。こちらは人民元に直接投資をするものではありませんが、NDF(ノン・デリバラブル・フォワード)という取引方法によって投資を行います。
中国人民元マネジメント債券F(毎月決算)
http://www.monex.co.jp/FundGuide/00000000/syohin/tousin/kihon/guest?MeigCd=%20%200037890000
また、チャイナフォーカスという投資信託も、資金の一部を株価連動証券を通じて中国A株に投資しています。
マネックス・フルトン・チャイナフォーカス
http://www.monex.co.jp/FundGuide/00000000/syohin/tousin/kihon/guest?MeigCd=%20%200049980000
今後、国内でもさらに人民元建ての投資商品が増えてくることが期待できます。
為替市場に限らず、金融マーケットというのは、想定していないような大きな変動をすることがあります。為替市場に関して、自分の見通しを持つのは大切ですが、過剰な集中投資をして、思わぬ大きな損失を被ることの無いよう、分散を考えた投資をするようにしてください。
また、人民元関連の金融商品も他の商品と同じように、コストに注意をして商品選択を行うようにしましょう。
今回の話のまとめ---------
■ 長期で考えれば、人民元の切り上げが期待できる
■ 国内で人民元に投資できる商品はまだ限定的
■ 為替手数料などのコストに注意するのは他の投資対象と同じ
では、また来週・・・。
(本コラムは筆者の個人的意見をまとめたものであり、筆者の所属する組織の意見ではありません。)
内藤 忍
株式会社マネックス・ユニバーシティ 代表取締役社長
ツイッター:http://twitter.com/Shinoby7110
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