その456 日米の個人投資家が考えていることで、似ていること違うこと

2002年1月11日から2011年8月19日までマネックスメールに連載した マネックス・ユニバーシティ代表取締役(※連載当時)内藤忍の資産設計コラム。(現在は更新しておりません)

その456 日米の個人投資家が考えていることで、似ていること違うこと

<お知らせ>

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第3話(最新分)
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第1話
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第2話
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昨日までアメリカに出張してきました。といっても、行ったのは、ニューヨークではなくフロリダです。フロリダは、金融危機の際不動産バブルがクラッシュした地域で、米国経済の先行指標になる市場と言われています。

今回は、マネー誌ZAIの取材で出かけてきました(こちらは、来月発売号で記事が掲載される予定です)。

■ アメリカのマネー誌は日本と似ている

帰り道に空港のブックストアで見つけたアメリカのマネー誌「Money」を買って読んでみました。2011年投資ガイドという特集だったのですが、その中にあったのが、投資家がやってはいけないこと、という記事でした。3つの避けるべきことが挙げられていました。

<避けるべきこと1> 手数料の高い商品に手を出さない

誌面では具体的な商品として、インデックス・アニュイティという商品が紹介されていました。日本では馴染みの薄い商品ですが、元本を保険会社が保証し、S&P500インデックスのような株式インデックスに連動した利回りが得られるという一見夢のような商品です。ところが実際は、手数料が高く、自分で低コスト商品を組み合わせればもっと良い運用ができるとしています。

この商品に限らず、複雑で高コストの商品は避けるべきというのは、投資の普遍的なルールです。

<避けるべきこと2> リスクの取らな過ぎ

アメリカでは35歳以下の世代が、株式投資をしないで現金比率を高めている傾向があるそうです。金融危機での株価の下落に懲りて「リスクの取らな過ぎ」に陥っ
ているのです。

長期の資産形成を考えるのであれば、資産を分散させ、少しずつ資金を株式に投資し、短期の変動に一喜一憂しない。

若い世代に「リスクを取らないリスク」が広がっているのは、日米共通のようです。

<避けるべきこと3> 金(ゴールド)へのこれからの投資は気をつけよう
金は既にかなり高騰しており、短期的にはまだ上昇するかもしれないが、これからの金
への投資は意味がない、としています。

その理由として、金には上昇する時の幅よりも下落時の調整の方が大きいと予想されること、他の資産で金よりも効果的な投資が実現できると思われること、実需よりも投資の対象として買われていること、を挙げています。

■ 日米の個人投資家の違いは税金

上記の記事以外を見ても、おススメファンドの一覧、有望株の紹介、お悩み相談室、読者参加のアンケートページといった構成で、日本のマネー誌と良く似ています。個人投資家が考えていることは、日米であまり変わらないように見えます。

ただ1つ違うのが税金です。日本の個人投資家は確定申告の時期になると税金に興味を持ちますが、あとはあまり気にしていないように見えます。それに対して、アメリカ人は税金に対して高い関心を持っています。

財政赤字の解決の1つの方法として日本でも増税が予想されます。日本人は源泉徴収の人が多いせいか、税金に無頓着な人が多いですが、もっと興味を持つべきだと思いました。税金が、将来のお金に与える影響は想像以上に大きいのです。
今回の話のまとめ---------

■ アメリカのマネー誌は日本のと良く似ている

■ 投資家の考えていることは日米で共通点が多い

■ ただし税金に対するスタンスは日米で大きく違う

では、また来週・・・。

(本コラムは筆者の個人的意見をまとめたものであり、筆者の所属する組織の意見ではありません。)

内藤 忍
株式会社マネックス・ユニバーシティ 代表取締役社長
ツイッター: http://twitter.com/Shinoby7110

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