2002年1月11日から2011年8月19日までマネックスメールに連載した マネックス・ユニバーシティ代表取締役(※連載当時)内藤忍の資産設計コラム。(現在は更新しておりません)
「お金が貯まる財布」「金運がよくなる財布」といったテーマは、テレビでも人気です。しかし、お金を殖やすために投資をする、という話になると、急に「危険」「だまされる」「ギャンブルと同じ」というイメージになってしまいます。
■ナゼ日本人は投資しないのか?
このように、日本人の投資アレルギーはかなりのものなのですが、それにはいくつかの理由があると思います。
<理由1> お金に対する偏見があるから
お金に対してネガティブなイメージを持っている人が多い。つまり、お金について語ることを避ける傾向があるということです。
お金は汚いとか、お金のことを話すのはセコい、というのは誰もが持っている感情だと思いますが、これは幼少時に親から教育された価値観です。
また、お金だけではなく投資に対しても否定的な人が多いのです。投資はギャンブルと同じと思っている人がほとんどですし、投資で儲けたお金は「あぶく銭」という見方をする人もいます。額に汗して自分が働いてお金を稼ぐべき、という考え方です。
<理由2> 誰もやり方を教えてくれないから
投資を始めようと思っても、基本から学べる機会が提供されていません。興味を持っている人はマネックス・ユニバーシティのような投資教育会社のコンテンツを自分で活用して、投資に必要な知識を得ることができますが、学校では投資を教えてくれません。
知識も無く、儲け話に乗ってしまうと金融サギの被害に遭ってしまったりします。そんな話を聞くと余計に投資は危ないというイメージを持ってしまい、投資から離れていってしまうのです。
<理由3> デフレだったから
ここ20年日本における物価上昇率はほとんどゼロかマイナスでした。デフレのときはものの値段がどんどん下がっていきますから、何もしなくてもお金の価値が上がっていきます。
例えば、400円だった牛丼は300円以下で食べられたり、夜飲みに行っても昔より安く飲めたりします。そうなると、持っている資産は何もしなくても勝手に価値が上がっていく訳です。投資をして失敗してしまうより、何もしない方が良いと考えるのは当然のことです。
3つの理由のうち、これから変わる可能性があるのは2と3だと思います。2は、地道な活動で少しずつ変えていくものですが、3はインフレに変われば一気に逆の方向に個人の資金が流れ始めるきっかけになります。
果たして、テレビの人気番組で投資が普通に取り上げられるようになる日が、近い将来、やって来るのでしょうか?
今回の話のまとめ---------
■ お金の話は興味があっても投資に興味がある人はまだ少数
■ 日本人が投資に消極的なのには理由がある
■ 市場環境が変われば、日本人の投資マインドが一変する可能性がある
では、また来週・・・。
(本コラムは筆者の個人的意見をまとめたものであり、筆者の所属する組織の意見ではありません。)
内藤 忍
株式会社マネックス・ユニバーシティ 代表取締役社長
ツイッター: http://twitter.com/Shinoby7110
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