その467 これから必要なお金の知識は、「増やし方」プラス「使い方」

2002年1月11日から2011年8月19日までマネックスメールに連載した マネックス・ユニバーシティ代表取締役(※連載当時)内藤忍の資産設計コラム。(現在は更新しておりません)

その467 これから必要なお金の知識は、「増やし方」プラス「使い方」

将来のお金に関して、お金の方程式というものがあります。これは、収入、支出、今持っている資産、運用利回りの4つの要素で、将来手に入れられるお金が決まるというもの。こんな式になります。

<お金の方程式>
将来の自分のお金
= [Σ(収入-支出) + 今持っている資産] x 運用利回り

この中で今持っている資産は、変えることができませんから、これから将来の自分のお金を変えるためには、

ビジネススキルを磨いて「収入を増やす」

ライフスキルを磨いて「支出を減らす」

インベストメントスキルを磨いて「運用して殖やす」

の3つしかないことになります。

■ 名目上のお金と実質的なお金の違い

お金の方程式は、自分が必要な資産を手に入れるための方法を明確にしてくれますが、これはあくまで名目上のお金です。実質的なお金の価値はさらに2つの要素によって決まります。

その2つとは、物価上昇率とお金の使い方です。

物価上昇率とは、インフレやデフレによる影響です。物価水準によって、同じお金で買えるものが変わります。わかりやすい例で言えば、牛丼が330円なら1000円で3杯食べられますが、250円になれば4杯食べられます。

デフレでお金の価値が上昇すれば、名目上の金額は同じでも、実質的な価値は上昇するのです。逆に物価が上昇するインフレになれば、お金の価値は下がります。

■ お金の使い方を変えてレバレッジをかける

もう1つのお金の使い方とは、同じ1000円を2000円、3000円の価値を感じられるようにレバレッジをかけていくことです。

例えば、次のような視点でお金の使い方を見直していくと、同じお金でももっと有効に使うことができるようになります。

家を買うのが良いか?賃貸にするのが良いか?

スーパーで買うのが良いか?産地直送で買うのが良いか?

定価で買うのが良いか?バーゲンで買うのが良いか?

現金で買うのが良いか?カードで買うのが良いか?

まとめて買うのが良いか?バラバラに買うのが良いか?

高いものを大切に使うのが良いか?安物を買い換える方が良いか?

などなど・・・

単に経済的な損得だけではなく、自分の満足度という尺度からも、お金の価値を最大限に感じられるような賢い使い方を考える。そうすれば、少ないお金で大きな満足が得られます。

最近メディアで紹介されることの多い丸の内朝大学で、本日の朝から始まったのは、まさにそのお金の使い方に関する講義です。マネーコミュニケーションクラス第2弾では、「達人に学ぶ、幸せになるための賢者の消費術 」というテーマで、各界の達人をゲストに学びます。

マネーコミュニケーションクラスの概要と講師一覧

http://www.ecozzeria.jp/asadaigaku/course/07005712.html

(なお、この講座は7月にも、2回目の募集を行う予定です。詳細は丸の内朝大学に直接お問い合わせください)。

ちなみに、お金の使い方のレバレッジは、FXのレバレッジとは異なり、高くしてもリスクの取りすぎにはなりません。

3月11日以降、寄付や義援金に自分のお金を使おうという人が増えました。震災をきっかけにお金の使い方を考え直すようになってきたのでしょう。お金は貯めても、使わなければ意味がありません。
お金の使い方に関する技術は、増やし方と同様に、これから益々重要になると思います。

今回の話のまとめ---------

■ 名目のお金を増やすには3つのスキルが必要になる

■ 実質のお金はインフレと使い方で変わってくる

■ インフレはコントロールできないが、お金の使い方はコントロールできる
では、また来週・・・。

(本コラムは筆者の個人的意見をまとめたものであり、筆者の所属する組織の意見ではありません。)

内藤 忍
株式会社マネックス・ユニバーシティ 代表取締役社長

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