2002年1月11日から2011年8月19日までマネックスメールに連載した マネックス・ユニバーシティ代表取締役(※連載当時)内藤忍の資産設計コラム。(現在は更新しておりません)
個人のブログを毎日更新しているのですが、最近その中で反響が大きかったのが、「既婚男性たちよ!お金の管理の妻任せは、今日からやめないか?」というタイトルの記事でした。これは、お金についてのこんな調査結果から書いたものです。
ビジネスパーソンのお金の現実 平均小遣い額は40,600円(5,000円ダウン)http://www.shinseifinancial.co.jp/aboutus/questionnaire/kozukai2010/index.html
この調査を見て思ったのは、お小遣いという考え方です。私は自分のお金は自分で管理する生活をずっと続けてきたので、どうもこのお小遣い制という仕組みが理解できないのです。
お小遣いというと、子供が母親からもらうイメージです。仕事をして稼いだお金をパートナーから金額を決めて渡される。残りのお金はパートナー任せというのは何だか奇妙に感じてしまいます。
■ 働き手のインセンティブが高まらない仕組み
お小遣い制の問題の1つは、働き手のモチベーションが高まらないことにあると思います。頑張っても、もらえる金額は同じ。値上げしてもらうためには、ハードな値上げ交渉(!)をしなければならない。これでは、頑張ろうという気持ちが萎えてしまいます。
また仕事をしていると、食事や趣味以外にも色々な出費があります。経済状況にもよりますが、仕事上のお付き合いや身だしなみ、あるいは自己啓発にもある程度のお金をかけた方が、将来の収入アップにつながるかもしれません。決められた金額でやりくりするという閉じた発想ではなく、どうやったら稼ぎ力を最大化できるのか、というプラス志向で夫婦で戦略を立てた方が結局は良い結果につながります。お金の管理で大切なことは、支出をとにかく削ることではないのです。
■ お金の管理をパートナー任せにしないメリット
お金の管理方法を変えて2人の視点で見るようになれば、1人ではできなかったことができたりします。例えば、資産の配分について考え直したり、節税の方法を考えたり、ローンの借り換えをしたり、といった具合です。
それに、お金の管理を一緒にするようになれば、万が一の時にどこに何があるのかまったくわからない、という問題もなくなります。どこにどの位の資産があって、毎月の収入と支出が大体どうなっているのか。このような情報を共有する重要性は、今回の震災で再認識したことです。
■ まず、お金について夫婦で真剣に話し合ってみる
といっても、お金の管理方法をいきなり変えるのも大変です。
多くの家庭ではお金に関して正面から向き合って話すことを避ける傾向があるように思います。そこでまずは、家族でお金について真剣に話してみてはどうでしょうか。
家計のことを話し合うようになれば、基本的なことを勉強するようになります。正しい知識を元に夫婦でコミュニケーションしながら、お金について一緒に考える。そうすれば、お金はもらうものではなく、共にシェアするものという考え方へマインドシフトできるようになります。
いずれにしても、お小遣い制は早くやめて、家計の管理は夫婦そろってやるべき。その方が良い結果をもたらす、というのが私の意見です。
今回の話のまとめ---------
■ お小遣い制では働き手のモチベーションは上がらない■ お小遣い制では家計の状況を夫婦でシェアできない■ お小遣い制を変えれば夫婦は円満になる
では、また来週・・・。
(本コラムは筆者の個人的意見をまとめたものであり、筆者の所属する組織の意見ではありません。)
内藤 忍株式会社マネックス・ユニバーシティ 代表取締役社長ツイッター: http://twitter.com/Shinoby7110
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