第 161 回 40代 男性 公務員です。マイホーム購入これだけはおさえなければならないことはありますか?

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第 161 回 40代 男性 公務員です。マイホーム購入これだけはおさえなければならないことはありますか?

Q 42歳男性、公務員です。妻(専業主婦39歳)と子供が1人(5歳)います。年収は550万円。コツコツ貯めて来た貯金が1000万円あります。老後に借りられなくなっても困らないようにマンションを買おうと考えていますが、住宅購入の注意点を教えてください。


A いよいよ自宅の購入ですか。わくわくしますね。買う前に最低でも10戸の物件を見ましょう。新築の予定でも中古も、マンションのつもりでも一戸建ても見学して目を肥やしましょう。不動産選びが最高に面白く、また難しいのは物件選びだからです。
さて、42歳で初めて購入とは堅実です。タイミングとしてはベストでしょう(20代~30代前半で、中には結婚と同時にほとんど頭金なしでマンションを買う人もいるのですが、たいていは後で困ったことになっています)。

資金の最大のポイントは「ローンを借りすぎない」こと。
そして資金面と同じくらい大切なのが、「購入するタイミング」です。
購入タイミングは家族構成とライフスタイルがほぼ固まったときがベスト。具体的には子どもの数がほぼ決まり、夫婦の働き方や、これからの暮らし方が見えてきた頃です。多くの人は結婚後5~10年、年齢では40歳前後ということになるでしょう。

 相談者は結婚後7年で42歳、子ども1人、片働き、転職の可能性ほぼなしというライフスタイルが固まりました。子どもの学校環境も考えた上で立地、広さ、間取りなどを、現実に即して決めることができます。

 家族構成や働き方が変わるたびに住み替えられれば、もっと早く買ってもいいのですが、今の日本は不動産売買の手数料・税金が高く、価格が下落傾向にあるため、買い替えコストもリスクも高すぎます。「退職まで住める棲家」を選ぶのが基本です。もちろん退職後も住み続けられますし、退職を機に暮らし方が変わるなら買い替えてもOKです。

 次に資金。40歳前後で買う場合「借入額は税込年収の4倍」が目安です。ローンを25年、2.5%とすると、返済額が手取年収(税込の85%と仮定)の約25%となります。
マンション購入後もゆとりある生活をおくるには「返済額が手取年収の25%」が上限。ローンの金利や期間によって多少は違ってきますが、年収の4倍の借入額がひとつの目安です。
 借り入れにあたって、ほかに気をつけたいのは以下のとおりです。

【1】 頭金は物件価格の20%以上準備する

【2】 頭金のほかに、購入の諸費用を5%(新築の場合)で準備する

【3】 ローンは定年退職までに返し終えるプランを基本とする(40代以下の人なら65歳でOK)
 
頭金が少ないとローンを借りすぎることになりがち。思わぬ事情で売却することになったとき、売却価格よりローン残高が高くなる(売ってもローンが残る)危険があります。頭金を多めに準備しておけばローンを借りすぎずにすみますし、ローンの条件が有利になることもあります。

相談者の場合は、2800万円程度の物件を頭金600万円、ローン2200万円、諸費用140万円(新築の場合)という予算が手ごろでしょう。手元には260万円の貯金が残ります。貯金をはたいてしまわず、年収の半分程度残すことも大切です。

以上の基本を押さえれば、金利タイプはどれを選んでも失敗することはありません。専門誌を読んだり、ネットで調べたり、窓口で相談して情報を集め、金利見通しを考えて、納得のいく選択をしてください。ご相談にいらしてくだされば、もちろん個々の事情を考慮して最善のアドバイスをいたします(笑)。

中村芳子 ファイナンシャル・プランナー http://www.al-pha.com/fp

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