第 163 回 円安を想定する場合のオススメの投資法は?

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第 163 回 円安を想定する場合のオススメの投資法は?

<質問>個人的にこの先は円安に向かうと考えています。将来の円安を想定したオススメの投資法を教えてください。

<回答>ご質問ありがとうございます。
今回はガイア株式会社 代表取締役の中桐啓貴が回答いたします。
 最近は、為替差益を狙った投資が人気のようです。
まずはじめに、ここで簡単に為替レートについて考えたいと思います。為替レートというのは厳密に言うと、金利や貿易収支など様々な要因で決まっていくのですが、もっと簡単なイメージで言いますと、経済が発展している国の通貨は強くなり、停滞している国の通貨は弱くなることです。

別の表現をしますと、その国の市場に出回っているモノの価値全体=その国の通貨の価値となります。つまり、発展途上の国の場合は、その国で買えるモノも農産物などが中心で価値が高くないですが、発展すると共に工業製品が増え、価値が高くなってきます。それと比例して通貨の価値も高くなるという図式です。
 戦後、日本や西ドイツは焼け野原からスタートしましたが、原料を輸入し、高付加価値の製品を作ることによって輸出をし、外貨を稼ぎ、それをまた再投資して、経済発展してきました。当時は1ドル360円の固定相場制でしたが、日本の経済発展と共に通貨の切り上げが必要になり、マルクや円は切り上げられました。つまり円の価値が上がったことになります。アメリカ人からすれば、360円のモノを買うのに昔は1ドルでよかったのに、今は4ドル必要になるのです。(現在、中国元の切り上げに関して報道されていますが、以前の円やマルクなどと同様に中国元の価値が高くなってきたということが分かります。)

では次に先進国同士の為替の関係について考えたいと思います。例えばドル円レートを考えた場合は、これから米国と日本、どちらがより経済成長するかを判断することになります。米国の方が日本より有望だと考えれば、ドル高円安、逆ですとドル安、円高になります。
現在のドル円レート1ドル90円前後では、多くの方が今後もっと円安に行くのではないかと予想しているかと思います。私の事務所に相談に来られる方も、「日本の将来は明るくないので、円安に振れると思う、だからドル預金をしておきたい」という方がよくいらっしゃいます。
その時に私は「中長期的に日本より米国の方が、経済成長が早そうだと考えているのでしたら、ドル預金をするより米国株に投資をする投資信託を買うのはいかがですか」とアドバイスをいたします。というのも、ドル高+米国の経済成長=株高、のシナリオになったとすると、為替の差益+株高の二つを享受できます。
もし仮にドル高+米国株安のシナリオをお持ちなら外貨預金でいいかもしれませんが、通貨高と経済成長が中長期的には連動するとお考えならば、米国株や米国株に投資する投資信託を選んだ方がドル預金よりはよいのではないでしょうか。


コラム執筆:
プライベート・ファイナンシャル・プランナー

株式会社ガイア 代表取締役 中桐 啓貴

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