第 165 回 30代女性、これからのグローバル社会をこう生き抜く

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第 165 回 30代女性、これからのグローバル社会をこう生き抜く

<質問> 31歳女性。独身の会社員です。20代の頃、米ドル建ての外貨預金をやって損をしてからは恐くて投資をしていません。やっぱり少しは投資した方がいいのでしょうか。

<回答> 今回は、ファイナンシャル・プランナーの中村芳子が回答します。ご質問いただきありがとうございます。

私は、投資はすべきだと考えます。外貨預金で損をしてしまったのは残念ですが、思っていた以上にリスク(為替の変動幅)があること、両替の手数料がかかること、為替が予想どおりには動かないことなどを身を持って体験されたと思います。この経験は貴重です。
「外貨は恐い」という経験があれば今後、高倍率のFXなどのハイリスク投資に手を出したり、詐欺まがいの投資の勧誘にひっかかったりすることはまずないでしょう。

 50代60代以上の人が、老後のために一生懸命に貯めたお金や退職金を、まちがった方法で投資して数千万円の単位で損したり、詐欺商法にひっかかったりするケースが後をたちません。被害者の多くは、投資の経験がない人たちです。投資経験がないと、相場が思い通りに動いて利益が出る場面しか想像できません。リターンと同等以上のリスクがあるという知識がなく、説明されてもなかなか理解できません。また「ぜったいに確実に儲かる」と勧誘するうその話にころりと騙されてしまうのです。

 せっかく外貨預金で損をしたのですから、どうしてそうなったか冷静に分析してみましょう。痛い思いをしたからこそ学べるのです。以下のことが考えられます。

・窓口で勧誘されたり、雑誌の記事を読んでおいしいところだけが印象に残り、しくみやリスクがよくわからないまま投資してしまった。
・預金と名前がつくので、元本保証だと誤解していた。
・円安を予想して(あるいは人から聞いて)、逆に動く可能性があることを考えなかった。
・為替手数料のことを計算していなかった。
・一度に預けてしまった。(結果的にはそのタイミングが悪かった)
・円高になったときに、あわてて解約してしまった。

過去の失敗を冷静に分析したら、逆にもう一度外貨預金や外貨MMFなどに「今度は損しないぞ」と挑戦する気になるかもしれません。それとも、「今度はちがう種類の投資信託を買ってみようか」となるかもしれません。


お勧めしたいのは、一般的な種類(アセットクラス)の投資商品を一通り経験してみることです。基本の国債、社債、投資信託(国内株、外国株、国内債券、海外債券、バランス型など各種)はクリアしたい。1口1000円~1万円からできる投資商品から選べば、損をしたとしても、失うものよりも得ることの方が多いはずです。
 
私は、リスクのある投資にまわしていいお金は「10年以上運用できるお金の50%」をお勧めしています。この範囲でいろいろな投資商品を、自動積み立てで(購入時期の分散でリスクが小さくなります)経験してみてください。3年後、5年後には、投資に対する知識も考え方も経験も今とは段違いに豊かになっているはずです。 Good Luck!

中村芳子
ファイナンシャル・プランナー

有限会社 アルファ アンド アソシエイツのウェブサイト

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