今知りたい!投資の悩みやお金に関する質問に資産運用の熟練講師がお応えします。
<質問>
42歳の会社員、妻(パート38歳)と小学5年生の息子の3人家族です。このところの不景気でボーナスも激減そして、残業代削減により手取り給与も減っています。年収550万、妻が約100万円。この中で、老後の資産運用と保険、そして住宅ローンのバランスをどう考えていけばよいのか分かりません。アドバイスをお願いいたします。お金遣いですが、妻は派手、私は質素倹約型で、たまにけんかをします。
<回答>
今回は、ファイナンシャル・プランナーの中村芳子が回答します。
ご質問いただきありがとうございます。
42歳。自分の老後も気になり始める一方で、子どもの学費はこれから、住宅ローンも小さくないという、精神的にも経済的にもタフな年齢です。
ボーナス激減は厳しいですが、今はボーナスゼロの人、リストラにあった人もめずらしくありません。職があり収入があることはラッキーです。感謝しましょう。そして、今の収入からどうやって、将来に備えていくかの戦略をたてましょう。
40代で大切なのは「優先順位」をはっきりさせ、上手に「バランス」をとることです。
今、第一に考えるべきは自分の老後よりも子どもの教育資金です(自分の老後より子どもの将来が大切という意味ではありません、念のため)。
教育資金は進路によって大きく変わってきます。中学から私立に進ませると、年約100万円の学費を払いながら、大学進学費用を貯めなければいけません。子どもの希望を聞き、夫婦でよく話し合った上で進路を決めましょう。ここで経済的に無理をすると、中学・高校を中途退学して公立学校に入り直すことになりかねず、かえって子どもに負担をかけることになります。自分にも子どもにも負担をかけない現実的なプランを立てましょう。
お子さんの大学進学までには、大学4年間にかかる費用(進路により約500~1200万円:私立の医科歯科系を除く)の半分を貯めるのが目安です。18歳まであと10年間で目標額を決め、貯める計画を立てて実行します。準備期間が10年なので、これから貯める分は安定型の金融商品(MMF、預金など)を使いましょう。
老後資金と住宅ローンはセットで考えます。定年までにたくさん貯めても住宅ローンが残っていれば、その返済で消えてしまいます。逆に繰り上げ返済ばかりして貯金ができないのも困ります。ローンを定年までに払い終え、それにプラスして一定の資金を貯めるのが目標。返済終了が65歳を超えていれば、計画的に繰り上げ返済をしましょう。65歳以前なら、繰り上げ返済するよりも手元の貯金を増やすのが得策です。
これからお金がかかる40代では、自分の老後のためには月に数万円しか貯められないのが現実です。でも月1万円でも貯め始めることが大切です。20年後30年後を見通して、自分が有望と思う分野の投資信託で、積み立てていきましょう。
複数のファンドを組み合わせて、リスクを軽減することをお勧めします。
お金の使い方が夫婦で違うのは当たり前。でも、お金を貯める優先順位と貯めるべき金額がはっきりしていれば協力できます。ただ、40歳前後の女性は「自分にお金をかけたい」年齢です。大きな愛で、その気持ちも理解してあげてください。
コラム執筆:中村芳子
ファイナンシャル・プランナー
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