第 174 回 10年以内に起こるかもしれない3つの悪いイベントの対応策とは

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第 174 回 10年以内に起こるかもしれない3つの悪いイベントの対応策とは

<質問>
投資をしていると予想もしなかったことが起こることをリーマンショックで実感しました。長期投資を続けていくとき、例えばこれから10年で、投資に大きな影響を与える可能性があるイベントとしてどんなことを想定しておいたら良いでしょうか?

<回答>
ご質問ありがとうございます。今週はマネックス・ユニバーシティの内藤が回答いたします。

これまでの10年を見ても、10年前には予想もしなかった事件やイベントが発生しています。金融市場に大きな影響があったものだけでも、NYテロ事件(9.11)、新興国投資ブーム、リーマンショック、ギリシア(欧州)危機、など。その度に金融市場は大きく変動しました。

これから先10年を考えた場合、万が一発生した場合に、どのように対応するか対策を考えておくべきこととして、次の3つを想定しました。可能性は低いかもしれないけれども、もし発生すると大きなインパクトがあるイベントです。

1.円金利上昇
日本の長期金利は1%前半で低位安定していますが、中長期的にこのまま低金利が継続するかどうかはわかりません。日本の財政リスクについては、不確定な要素がありますが、将来問題になるリスクは依然として高いと思われます。債券市場が急落して、円金利が急上昇した場合、債券下落、円安、日本株式下落のトリプル安の可能性があります。

2.株価の急落
リーマンショックのような株価の急落は、今後も発生する可能性が高いと考えておいた方が良いでしょう。マーケットが過熱し、上昇してから大きく調整するというパターンは、株式市場だけではなく、原油や債券、不動産などあらゆる資産で繰り返されてきたことだからです。世界的な株安となれば、資金が債券や金、あるいは現金に向かうことが考えられます。

3.大地震
東海道エリアの大都市圏に被害が出るような大地震によって、日本経済に大きなダメージを受けるリスクも可能性として考えておく必要があります。少なくとも短期的には、1.と同じように国内の株式、債券、そして円が売られる、日本売りが発生することが予想されます。


これらのリスクに対処するには、資産の分散が基本になります。円資産に偏っている人は、外貨資産を増やすことを検討すべきでしょう。地震については、ご自宅や投資用の不動産を所有している場合、地震保険を使ってリスクヘッジを検討することもできるでしょう。

このようにマーケットの大きな変動はリスクではありますが、一方で資産を割安に購入することができるチャンスでもあります。タイミングを当てることは簡単ではありませんが、一方向に動き続けるマーケットが無いことは過去の歴史が証明しています。

今回考えた3つのイベント以外にも、マーケットでは誰もが想定していないようなことが起こるものです。投資を続けるのであれば、目先のことだけではなく、10年単位の時間軸で投資を考えておきましょう。

コラム執筆:内藤 忍
1964年生まれ 株式会社マネックス・ユニバーシティ 代表取締役社長

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