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<質問>
定期預金の金利はインフレ率より高いから、預金をしておけば将来の心配は無い、という話を聞きました。そうだとすると投資をする理由が無いように思えます。投資は必要なのでしょうか?
<回答>
ご質問ありがとうございます。今週はマネックス・ユニバーシティの内藤が回答いたします。
確かに、ここ20年くらいの日本のデータを見ると、ほとんどの時期において定期預金の金利がインフレ率を上回っています。その一方で、日本株式は日経平均で見ても、1989年の最高値から4分の1近くまで下落しています。預金の方が投資より安全でリターンも確保できる、と考えるのは無理ないと思います。
しかし、2つの点に注意が必要です。
1つは、マーケット環境は常に変化するということです。1980年代からの日本は、インフレ率が比較的安定し、円高が進みました。また、市場金利も緩やかに低下してきました。このような環境では、預金がインフレ率を上回るのは不思議なことではありません。
問題は、このような環境がこれからも続くのかということです。例えば今後円安、金利上昇、インフレといった環境変化が発生すれば、円預金だけで資産を持つことで実質的に資産が目減りするリスクが発生する可能性があります。最近の日本のデータだけを頼りに、判断するのは危険だと思います。
もう1つ考えておくべきことは、もし預金がインフレ率を上回ったとしても、預金では、自分の将来必要なお金が手に入らない可能性があることです。自分の許容範囲内のリスクを取って預金よりも高いリターンを目指す方が、将来必要な金額を手に入れられる可能性は高まります。
もちろん、投資にはリスクがあり、やるかやらないかは、個人の自由です。
もしあなたが預金だけで資産を保有しようと考えているなら、もう一度自分に問いかけてみてください。あなたのお金の目標は、インフレに勝つことですか?それとも必要な金額を手に入れることですか?と
コラム執筆:内藤 忍
1964年生まれ 株式会社マネックス・ユニバーシティ 代表取締役社
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