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<質問>
円高になっているので、外貨投資を始めようと思います。外貨投資の注意点を教えてください。
<回答>
ご質問ありがとうございます。今週はマネックス・ユニバーシティの内藤が回答いたします。
今週に入って一時ドル円が83円台、ユーロ円が一時105円台という急激な円高になっていますが、外貨投資を考える前に個人投資家が知っておくべき3つのポイントをまとめておきましょう。
<ポイント1> 高金利=高リターンではない
日本では超低金利が続いているのに対し、新興国は一般に高金利です。外貨投資に関して、「高金利=高リターン」と思っている人がいます
がこれは誤解です。為替の動きが絡んでくるからです。
理論的には、金利の高い国の通貨は、金利の低い国の通貨に比べて減価していく傾向にあります。例えば、日本の金利が1%で、米国は3%だとすれば、ドル円の為替レートは年間2%の円高になる計算です。実際には、計算通りに動くとは限りませんが、金利差以上に為替レート
の変動は大きなものであることに注意が必要です。
<ポイント2> 実効為替レートで為替の動きを全体的に捉える
為替レートを見る際は、ドル円、ユーロ円といった、それぞれの通貨を見るだけではなく「実効為替レート」もチェックしておきましょう。
また、日銀が発表している円の実質実効為替レートを見ると、1995年に円高のピークをつけたあと、緩やかな円安傾向に進んでいることがわかります。これは、物価水準も加味した、多国間の総合的な為替の動きを計算したものです。為替の動きは多面的に捉えるようにした方が良いでしょう。
<ポイント3> 2つの分散を忘れない
円高になった時点でタイミング良く投資したいと思うのは良くわかりますが、為替も株価同様予測が難しい投資対象です。タイミングを狙って一気に投資をするのではなく、時間を分散させて投資することをおススメします。また、具体的にどの通貨にどのような比率で配分するかは、資産全体からどの程度のリスクを取るかという観点で考えていきましょう。どこまで円高になるかを予想するのは簡単ではありません。
2つの分散を忘れないようにしてください。
コラム執筆:内藤 忍
1964年生まれ 株式会社マネックス・ユニバーシティ 代表取締役社長
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