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<質問>
eMAXIS全世界株式インデックスとグローバル株式インデックス&新興国株式インデックスの組合せはどちらを買うのがよいでしょうか?
<回答>
ご質問ありがとうございます。今週はマネックス・ユニバーシティの内藤が回答いたします。
eMAXIS全世界株式インデックスは、個人投資家へのアンケートで要望の多かったファンドとして三菱UFJ投信が設定・運用する投資信託です。対象となる指数は、MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(除く日本、円換算)ということで、これ一本で先進国と新興国の外国株式にまとめて投資ができます。
では、日本以外の株式に投資をするとき、このファンド1本で投資をするのと、同じeMAXISシリーズのグローバル株式インデックスと新興国株式インデックスを自分で組み合わせるのと、どちらが良いのでしょうか?
確かに、全世界株式インデックスであれば1つのファンドで2本分の投資がまとめてできるようになります。また、先進国株式と新興国株式の比率のリバランスもファンド内で自動的にやってくれます。
しかし、このファンドを購入する投資家の多くは、外国株式以外にも債券や不動産(REIT)といった様々な資産の種類のファンドに投資をしているはずです。せっかく先進国株式と新興国株式の2つの資産の間のリバランスが不要になったとしても、海外株式と他の資産とのリバランスはやらなければいけません。
さらに、全世界株式インデックスでは先進国株式と新興国株式の比率は時価総額で固定されることになります。比率を自分でコントロールすることはできなくなるのです。例えば、新興国の比率を先進国より高めにしたい、といった対応はこのファンドではできません。
つまり、アセットクラスの一部分だけが便利になっても、資産全体での管理の手間はほとんど変わらず、逆に資産配分の柔軟性が無くなってしまうデメリットが発生するのです。
このように考えると、このファンドの使い勝手は長期分散投資家にとってはあまり良いものではないように思います。私は、グローバル株式インデックスと新興国株式インデックスを自分で組み合わせ、柔軟に比率を変更できる方法をとる方が良いと考えます。
コラム執筆:
内藤 忍 1964年生まれ 株式会社マネックス・ユニバーシティ 代表取締役社長
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