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<質問>
セミナーのお話を聞いて、今持っている投資信託を解約して、低コストのインデックスファンドに乗り換えたいと思いました。でも、解約すると損が出てしまいます。もう少し損が減ってから乗換しようと思うのですが、いつ解約するのが良いでしょうか?
<回答>
ご質問ありがとうございます。今週はマネックス・ユニバーシティの内藤が回答いたします。
今保有している投資信託を解約できない原因は2つあると思います。1つは、解約すると損が出てしまうから、そしてもう1つは、解約してから値上がりしたら解約したことを後悔するからです。それぞれについて考えてみましょう。
まず、解約すると損が出てしまう、という点ですが、実は解約しなくても損はもう既に出ています。違いは、含み損なのか実現損なのかという違いだけです。現時点での損は、いずれにしてももう確定してしまったことです。つまり今からあれこれ考えても、結果は同じですから意味がありません。
それよりも考えるべきことは、これからのことです。投資信託を使った運用では、小さな信託報酬の差が長期では大きな差になります。例えば信託報酬が1%の投信を0.6%のものに乗り換えれば、年間0.4%のコスト低下になります。大した数字ではないと思うかもしれませんが、残高100万円なら4000円、10年で単純計算すると4万円になります。商品性に優れ、コストの低いファンドがあるなら、これからかかるコストを考えれば、早くコストを下げる対策を取るべきです。
そして、もう一点、解約してから値上がりしたら...という不安ですが、これは解約して同じ投資対象の別のファンドに乗り換えれば、あまり考える必要はありません。例えば、今持っている日本株のファンドを解約して、同じ日本株のファンドを買えば、完全に同じ値動きではありませんが、影響は限定されます。
投資で大切なことは、今までの失敗を将来の投資の判断材料にしないことです。過去の失敗の反省をして投資力を高めることには意味がありますが、過去の取引状況からこれからどうするかを決めるのは、百害あって一利なしです。
コラム執筆:
内藤 忍1964年生まれ 株式会社マネックス・ユニバーシティ 代表取締役社長
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