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<質問>
株式市場も低迷しているし、こんなときこそ何か買っておきたいと思うのですが、何を買って良いのかわかりません。何か良いアドバイスはないでしょうか?
<回答>
確かに市場もシャンとしない状態が続いていますが、そんなときこそ長期スタンスで、良いポートフォリオを作っておこうというのはとても正しい考え方だと思います。でも、何を買ったら良いかわからないというのは万人の悩みです。
投資をする際に誰もが望むのは、リスクをコントロールしつつ、できるだけ高いリターンを求めるということです。しかし、高いリターンを求めれば、リスクも高くなる。リスクは分散投資で低下することができる。だからと言ってハイリスク・ハイリターンの株式をたくさん保有してリスク削減を図るというのも限界があります。第一、資金にも限りがあるので、充分に分散するほどにたくさんの銘柄を保有することはできない。この、リスク削減とリターンの向上というトレードオフをどのように解決するかが投資をする際の大きな課題です。
私は投資をする際には二つの銘柄選択の基準があると思っています。ひとつは日ごろお世話になっている企業を買うということです。もうひとつは応援したい会社を買うということです。
最初のお世話になっている企業を買うというのは、「いつも、生活を支援していてくれてありがとう」という感謝の気持ちを込めてオーナーになる投資です。いま、我々の生活は、世界中の企業のお世話になっています。ですから、世界中のさまざまな業種の企業をまとめて買うのです。「世界中を買う」というと驚く方もいるかも知れませんが、ありがたいことにいまは投信やETFでそれが簡単にできるのです。つまり、グローバルなインデックス投信やETFを保有しておけばこの目的は果たせます。これを「感謝の投資」と私は呼んでいます。
一方で、応援したい企業を買うというのはそれほど難しくはないと思います。自分がイメージする良い社会を、それを実現するためにがんばってくれる企業に投資をすることで、自分のおカネに働いてもらう。これは「応援の投資」です。特にそのような企業が、マーケット全体の影響で大幅に下がっているようなときはチャンスだと言えます。
「感謝の投資」は、結果として世界中の企業をインデックス投信やETFで保有することになります。「応援の投資」はあくまで個別銘柄への投資です。言い換えれば、「感謝の投資」はリスク分散、「応援の投資」はリターン追求を目的とするのです。
「リスクをコントロールしつつ、リターンを狙う」、その解決策は、ちょうどサッカーなどのゲームと同じです。防御と攻めは分けて考えるべきなのです。防御はリスク削減、攻めはリターン追及です。ですから、「感謝の投資」と「応援の投資」をうまくブレンドしてポートフォリオを作れば良いのです。
攻めの部分と守りの部分をどのぐらいの比率で持つかは個人の考え方によります。しかし、私はいつも「守り」=「感謝の投資」をポートフォリオの半分以上、保有することをお勧めしています。リターンを追求する銘柄で同時にリスク削減を狙うのは「虻蜂取らず」になってしまいます。守り(感謝の投資)を固めた上で攻め(応援の投資)を行えば、リスクをそれほど気にしないで自分が本当に良いと思う銘柄を保有することができるのです。
コラム執筆:
岡本 和久
ファイナンシャル・ヒーラー(R)CFA 協会認定証券アナリスト (Chartered Financial Analyst)I-O ウェルス・アドバイザーズ株式会社 代表取締役社長ウェブサイトはこちら
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