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<質問>
ハイイールド債に投資する毎月分配型ファンドに投資しようかと考えています。格付けが低いですが、高い配当金があり、とても魅力的に見えます。株が低迷している時は、配当金を毎月貰えるのは安心で嬉しいものですが、ハイイールド債に投資する分配型ファンドは投資先としてどんなものでしょうか。
<回答>
ご質問ありがとうございます。今週はマネックス・ユニバーシティの内藤が回答いたします。
まず、ハイイールド債について説明をしておきましょう。
債券は発行して資金を調達する組織の信用力によって金利が変わってきます。経営基盤が磐石で破綻リスクの低い企業であれば信用力が高いので、低いコストでも債券を発行できます。しかし、信用度が低い会社だと金利が高くなければ債券の購入者が見つかりません。通常信用度は格付けで評価され、最上位のAAAからAA、A、BBB、BB...というように信用力が下がっていきます。
ハイイールド債券とは、格付機関によりBB格相当以下の低い格付けを付与された債券をいいます。BBB格以上の投資適格債券と比較して、元本や利金の支払いが滞ったり、支払われなくなったりするリスクが高くなります。その見返りとして高い利回りが得られる債券です。
検討されているハイイールドファンドは、この債券を組み入れた投資信託ですが、次のようなリスクを持っています。
まず、ファンドは複数のハイイールド債券に分散投資しますが、それでもリスクが高いことには変わりありません。投資先の信用力が下がれば、債券が大きく売られたり、最悪の場合は破綻する可能性もあります。
また、ハイイールド債ファンドは通常外貨建ての債券になりますから、為替リスクも存在します。円安になれば為替差益が得られますが、円高になると為替差損で価値が下がることになります。
そして、債券金利は世界的に低下してきていますが、今後金利が上昇することになれば債券の価格は下落します。
つまり、債券の金利上昇リスク、為替の円高リスク、そして債券の発行体の信用リスクという3つのリスクが存在する金融商品であるということです。
毎月の定期的な分配金が得られ、一見安定した金融商品に見えますが、ファンドの価値には大きな変動がある得ることを知っておきましょう。
不安な方は過去の基準価額の変化を調べてみてください。
コラム執筆:
内藤 忍 1964年生まれ
株式会社マネックス・ユニバーシティ 代表取締役社長
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