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<質問>
最近、コモディティに興味を持っています。
金が最高値を更新したり、農作物が値上がりしている
と聞きましたが、個人投資家が投資する先として、どうなのでしょうか?
<回答>
ご質問ありがとうございます。今週はマネックス・ユニバーシティの内藤が回答いたします。
確かに最近コモディティの価格上昇が目立っています。金の価格が2010年10月にドルベースで史上最高値を更新したのはご存知の方も多いと思いますが、穀物の中にも価格上昇するものが出てきています。
※コモディティに関しての簡単な説明はこちら(マネックス・ユニバーシティのサイトが開きます。)
例えば、2010年8月にはロシアでの山火事をきっかけに小麦の価格が暴騰しましたが、2010年10月は、とうもろこしの価格が、最大の生産地であるアメリカの生産量の減少のニュースに急上昇を見せました。それ以外にも大豆など2010年に入ってから上昇している穀物があります。
コモディティに投資をしても、基本的に債券の金利や株式の配当のような、いわゆるインカムゲインはありません。価格の上昇によるキャピタルゲインによって投資収益を得ることになります。
また、コモディティは、企業収益から株価の算出をしたり、市場金利から債券価格を計算するといった理論的な価格計算根拠が存在しないので、価格を想定するのが困難です。生産コストや採掘コストと市場価格はリンクせず、需要と供給のバランスによって価格が決まります。その結果、天候不順や天災、あるいは生産調整など需給変動が大きく価格を変動させることがあるのです。
個人投資家がコモディティに投資する場合、複数の商品に分散できる、投資信託を活用するのが良いと思いますが、別の方法もあります。例えば、資源国であるオーストラリアのような通貨に投資をしたり、資源関連の株式に投資をして間接的にコモディティ投資と同じ効果を得ようとする投資方法です。
価格を決定する需給の予想は、専門家でも難しいのがコモディティです。コモディティ全体への需要は、新興国の経済成長と共に堅調に続く可能性が高いと思いますが、変動性の高い投資先であることを認識して、投資のタイミングや投資対象商品を分散させておくことが大切です。
株式や債券を補完する投資対象としてコモディティを組み入れるのは、良いと思いますが、運用資産の中での配分比率としては10%を上限にしましょう。
コラム執筆:
内藤 忍 1964年生まれ
株式会社マネックス・ユニバーシティ 代表取締役社長
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