今知りたい!投資の悩みやお金に関する質問に資産運用の熟練講師がお応えします。
<質問>
コストの低いインデックスファンドが続々登場していますが、今まで保有していたインデックスファンドを売って、新しいインデックスファンドに乗り換えた方が良いのでしょうか?
<回答>
ご質問ありがとうございます。今週はマネックス・ユニバーシティの内藤が回答いたします。
インデックスファンドは、ここ数年価格競争による低コスト化が進んでいます。インデックスファンドとは、日経平均やTOPIXといった市場平均に連動する運用成果を目指すファンドなので、ファンドによる運用成果の差が出にくいのです。そこで各運用会社がコストで競争するという構図になってきています。
投資信託にかかるコストとして、主なものに販売手数料と信託報酬があります。ネット証券で販売しているインデックスファンドは、購入時に販売手数料のかからないノーロードファンドが一般的になっています。
ノーロードファンドで、信託報酬の安いものを購入した方が良いと思うかもしれませんが、話はそう簡単ではありません。
まず、ファンドによっては、信託財産留保金がかかるファンドがあります。これは投資家間の公平性を保つための仕組みです。ファンドを解約する際にファンドに資産の一部を残していく仕組みですが、乗り換えしようとすると、信託財産留保金分はファンドに置いていくことになり、解約した資産から差し引かれます。
また、信託報酬以外にファンドでかかるコストもあります。例えば、ファンド内で為替取引をしたり、株式の売買をしたりすることに伴うコストです。これらは実際にかかった金額が、信託報酬とは別にファンドから差し引かれます。すべてのコストを正確に比較しようとすれば、運用報告書でこれらのコストの実額を調べてみる必要があります。
さらに、最近設定されたインデックスファンドは、まだ運用実績も短く、ファンド運用が効率的に行われているかどうかがわかりません。また、ファンド規模が大きくならない場合、将来的には償還のリスクが出てくることもあり得ます。
つまり、わずかな信託報酬の差であれば、乗り換えをするのにかかる手間やコストを考えるとあまりメリットが無いことも多いのです。信託報酬だけを単純比較して今保有しているファンドの売却・新ファドの購入を考えるのは、やめておいた方が良い。これが私の結論です。
コラム執筆:
内藤 忍 1964年生まれ
株式会社マネックス・ユニバーシティ 代表取締役社長
マネックスからのご留意事項
「お金の相談室」では、マネックス証券でお取扱している商品・サービス等について言及している部分があります。
マネックス証券でお取引いただく際は、所定の手数料や諸経費等をご負担いただく場合があります。お取引いただく各商品等には価格の変動等による損失が生じるおそれがあります。また、信用取引、先物・オプション取引、外国為替証拠金取引・取引所株価指数証拠金取引をご利用いただく場合は、所定の保証金・証拠金をあらかじめいただく場合がございます。これらの取引には差し入れた保証金・証拠金(当初元本)を上回る損失が生じるおそれがあります。
商品ごとに手数料等及びリスクは異なりますので、詳しくは「契約締結前交付書面」、「上場有価証券等書面」、「目論見書」、「目論見書補完書面」又は当社ウェブサイトの「リスク・手数料などの重要事項に関する説明」をよくお読みください。