今知りたい!投資の悩みやお金に関する質問に資産運用の熟練講師がお応えします。
<質問> 私も30代の中ごろになってきたので、そろそろ、将来のために投資を始めたいと思っていますが、今年の株式市場はどうなりそうですか?忙しいのであまり勉強する時間もありません。それから、最低限、これだけは知っておくべきだということがあれば教えてもらえますか?
<回答> そうですね、金利は低いけれど、でも、株は怖いしという方も多いでしょう。まず、最初の質問に答えましょう。「将来のために投資をする」という目的であれば、なぜ、「今年」の株式市場がどうなるかが気になるのですか?30代中ごろの方であれば、退職されるのはいまから30年後でしょう?大切なのは30年後の株価がどうなっているかということで、別に今年、株価が上がっても、下がっても関係ないはずです。むしろ、下がってくれれば将来のために安く買えるということで喜ぶべきことです。
これから30年を考えると、私は世界の経済は拡大していくだろうと思います。人口がどんどん増えていきますし、中国やブラジル、インドのような新興国のトップ・グループに続く国々も成長を始めています。膨大な数の人たちがより良い生活を目指すようになっています。先進国の企業も、新興国の企業も非常に大きなメリットをこれから享受するでしょう。ですから、世界中の企業をしっかりと30年間積み立てて行けばいいのです。
さて、二つ目の質問ですが、投資は難しい、色々、勉強をしなければできないと思っている方が非常に多いのです。でも、「将来の自分を支えるのは今の自分」の時代、投資も日常生活のなかに入り込んでこなければなりません。ある意味、投資はコンビニで買い物をするのと同じぐらいの知識があればいいのです。
将来の自分のための投資は、四つのステップで考えてください。
まず、第一は株式と債券の配分をどうするかです。例えば、今銀行の定期預金に2万円積み立てているとします。その2万円を、いくらを株式に、いくらを債券にするかということを考えてみるのが最初のステップです。株式は価格の変動が上にも下にも大きいですが、その分、平均すると収益率は高いのです。30代の方であれば80%から100%ぐらい株式でいいと思います。まあ、50代にでもなったら少しずつ株式の比率を下げて行けばいいでしょう。
第二のポイントは、株式と債券、それぞれの中身をどうするかということです。大切なことはできるだけ幅広い対象に投資をするということです。しかも、日本だけでなく、半分は外国株にすべきです。いまや世界はグローバル化していますからね。インデックス投信という市場全体に連動して動くように作られた投資信託を利用すればこれは簡単にできます。
三番目に大切なことは投資信託を選ぶときにはコストに注意するということです。買付けるときにかかる販売手数料と毎年かかる信託報酬を、できれば同じような投資目的の投信で比較してみると良いと思います。わずかなコストの差でも何十年と続けていると大きな違いを生みます。コンビニでも値段を気にするように、投信を選ぶときもちょっと値段を気にしてください。
そして、最後はただ、ひたすら積み立てるということです。長期で積み立てる投資家には低迷相場はバラ色シナリオです。30年後、退職していよいよ資金を取り崩すときに上昇していればいいのです。とにかく、この四つのポイントを頭において一歩を踏み出すことです。
お正月にうれしいメールをいただきました。二人目のお子さんを出産されたばかりの若いお母さんからです。その方からの文章の一部をご紹介しましょう。
「昨年は二女の妊娠・出産もあり、セミナー等参加できませんでしたが、子供たちは元気に成長してくれています。そして、我が家のこども手当等々は着々と世界に分散投資されています!私も自立して生きていけるよう、今年も育児のかたわら、会計・税務の勉強を続けたいと思っています」
嬉しいメールでした。
みなさんも新年、新たな一歩を踏み出してみませんか?
コラム執筆:
岡本 和久 ファイナンシャル・ヒーラー(R)
CFA 協会認定証券アナリスト (Chartered Financial Analyst)
I-O ウェルス・アドバイザーズ株式会社 代表取締役社長ウェブサイトはこちら
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