第 200 回 伝説のトレーダー藤巻健史氏の国債暴落論への対応策

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第 200 回 伝説のトレーダー藤巻健史氏の国債暴落論への対応策

<質問>マネックスの先週末のセミナーで、藤巻健史さんが日本国債の暴落について話しているのを聞いて、とても不安になりました。今のうちに何か準備しておいた方が良いでしょうか?

<回答>ご質問ありがとうございます。今週は、マネックス・ユニバーシティの内藤が回答いたします。

ご指摘の通り、日本の財政赤字を問題視している人は、藤巻健史さんだけではなくマーケット関係者の中で増えてきています。経済学を専門にする学者の中でも、例えば一橋大学の小黒一正氏が「2020年、日本が破綻する日」(日経プレミア新書)という書籍で財政破綻の可能性について言及していますし、早稲田大学の野口悠紀雄氏も同様の懸念を示しています。

現状を見てみましょう。確かに、債務残高のGDP比率で見ると、日本は財政危機に陥ったギリシアよりも高い比率になっています。また、単年度の予算でみても、税収が40兆円足らずなのに歳出が90兆円を超えており、単純に言えば、給料40万円の人が90万円使っている状態です。しかも、今後日本は少子高齢化により社会保障費などの支出の増加が予想されます。

不安を感じるのは当然だと思います。

日本国債は現状95%が国内の資金で調達されていますが、このバランスが数年以内に崩れ、国債価格の下落(金利上昇)と円安になる。藤巻さんの言うような暴落にはならなくても、今後問題化する可能性はゼロではないと思います。

マネックスのお客様感謝Dayで出演者が共通して言っていたことは、円預金に資産を集中させないで、円以外の資産にも分散させて資産を持つこと。つまり外貨運用を行うことです。

実は預金だけではなく、国の年金や生命保険も資金の一部を国債で運用しています。日本人の保有している金融資産の多くは、最終的に国債で運用されており、実質的に国債に資産が集中しているからです。

日本国債のリスクは、地震のリスクと同じようなものです。いつどんな規模でやってくるかわからない。だから早いうちにしっかり準備をしておくべきなのです。


コラム執筆:
内藤 忍 1964年生まれ

株式会社マネックス・ユニバーシティ 代表取締役社長

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