今知りたい!投資の悩みやお金に関する質問に資産運用の熟練講師がお応えします。
<質問>
損が出るのが怖くてずっと解約できなかった投信をやっと全額売却しました。手元にある現金は、これからどうしたら良いでしょうか?
<回答>
ご質問ありがとうございます。今週は、マネックス・ユニバーシティの内藤が回答いたします。
損失の発生している株や投資信託を売却するのは、心理的になかなかやりにくいものです。それを自分の意思で実行したことは、投資行動としては良いことです。しかし、問題は解約した後のアクションです。
投資で失敗してしまった人にありがちなのが、もう投資で損をしたくないと思うあまり、何もできなくなってしまうことです。いわゆる「あつものに懲りてなますを吹く」という状態です。
せっかくの資産を投資で減らしてしまい、何とか思い切って解約して得た現金をすぐに別の投資商品に投入するのは勇気が必要かもしれません。
しかし、解約して手に入れた現金を使う当てが無いからとそのまま寝かせておくと、収益機会を逃してしまうリスクがあります。また、円の預金・現金に資産を集中させていることは、円安のリスクを取っていることにもなります。安全資産だと思っていたら、知らないうちにリスクになっている可能性もあるということです。
そのままにしておくと、結局何もしないまま時間だけが過ぎていくという展開になりかねません。
そこで、手元にある投資資金全額を再投資するのではなく、一部だけでも投資してみるのが良いと思います。その際には、一度に全ての資金を投じて「投資完了」とするのではなく、積立を使って投資を継続し、投資対象も分散させることです。積立であれば、意識しないで投資金額を少しずつ増やしていくことができます。
最終的にどのように資産を配分するかという、グランドデザインをまず決める。そしてその目標に自分の資産を少しずつ近づけていく。これが、一番良い方法です。
せっかく損切りしたのに、解約しただけでホッとしてしまい、次のアクションに移れないというのが、実は一番危ないのです。
コラム執筆:
内藤 忍 1964年生まれ
株式会社マネックス・ユニバーシティ 代表取締役社長
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