第 214 回 これから財産を守りたい人が知っておくべき「考え方」

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第 214 回 これから財産を守りたい人が知っておくべき「考え方」

<質問>震災によって日本人の価値観が変わってしまったように思います。
お金や財産に関して、今までと何か違った視点が必要になるようでしたらアドバイスをお願いいたします。

<回答>
ご質問ありがとうございます。今週は、マネックス・ユニバーシティの内藤が回答いたします。

お金や財産をどうやって守り、殖やしていったら良いか。金融資産に関しては分散が基本であるということは、前回のこのコラムで説明しました。(前回コラム「あなたの資産は震災が来ても大丈夫?」 はこちらから)

今回は、もう少し広い財産の管理という観点から3つの考え方の変化をご紹介しましょう。

1.「所有」から「利用」へ
マイホーム、車、宝飾品、など今までは所有すること自体に価値があり、ステイタスでもありました。しかし、所有していても使う機会が少ないものは敢えて持たないというのがこれからの考え方です。

車が無いと生活できないなら難しいですが、例えば車は必要なときにレンタカーで、あるいはマイカーをやめて、必要ならタクシーで済ませるという方が合理的です。年に数回しか使わないスーツケースや夏だけのキャンプ用品、スポーツに使う道具なども年に数回なら借りた方が割安です。所有するのをやめれば、持っていることによるリスクから開放されます。

2.「収益性」から「流動性」へ
財産は換金できなければ意味がありません。流動性の低い資産には、換金リスクがあることを知っておきましょう。収益性と流動性はトレードオフの関係になることが多く、2つのバランスをどのように取るか、慎重に考える必要があります。

例えば、不動産は収益性は高いものの、流動性が低い資産ですが、賃料収入という収益性だけではなく、将来の資産売却(いわゆる出口戦略)まで充分に考えて投資をする必要があるでしょう。

3.「他責」から「自責」へ
財産を守るのに横並びや、人に言われた通りにやっていると、思わぬワナに陥ることがあります。金融詐欺の被害者が国や監督官庁に責任を取るように迫っているのをみることがあります。詐欺犯罪に手を染める人が悪いのはもちろんですが、その話に乗ったのは自分自身であることも事実です。

誰かが助けてくれる、自分は悪くない、といった「他責」の考え方から、すべての責任は最終的に自分にあるという、「自責」の考え方を持つようにすることが大切です。最終責任は自分が取るという心構えです。

今回ご紹介した変化が絶対に正しいということではありません。自分なりの価値判断基準を明確にしておくことがこれから重要になるということです。


コラム執筆:
内藤 忍 1964年生まれ
株式会社マネックス・ユニバーシティ 代表取締役社長

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