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<質問>
インデックス投資という方法を知って、自分に向いていると感じました。しかし、インデックス投資にもデメリットがあるのではないかと思います。デメリットについて教えてください。
<回答>
ご質問ありがとうございます。今週は、マネックス・ユニバーシティの内藤が回答いたします。
インデックス運用は市場の平均を目指す運用として、アクティブ運用に比べて着実な投資手法と言えますが、問題が無いわけではありません。インデックス運用については次の2点には注意しておく必要があると思います。
問題1 割高なものの比率が高まる
インデックスの構成銘柄は時価総額に応じた比率で組み入れるのが通常です。このような方法だと、株価が上昇すればその分インデックスにおける比率も高まることになります。何らかの理由で人気化した株式が明らかに割高だとわかっていてもインデックス運用では、その銘柄の組み入れ比率は増やしていかなければなりません。
つまり、インデックス運用では割高になると組み入れが多くなり、割安になると組み入れが少なくなっている可能性があるのです。企業価値が割高か割安かを判断するのは簡単ではありませんが、注意が必要です。
問題2 インデックス銘柄は市場の一部に過ぎない
もう1つの問題としては、インデックスに組み入れられる構成銘柄の決定方法があります。
インデックスの構成銘柄は上場しているすべての銘柄が対象になる場合もありますが、通常は一定の条件を満たす市場の一部の銘柄に限定されます。特に新興市場では、時価総額や流動性によって、基準を満たさない銘柄が除外されていることがあります。これは、現実的に投資可能な銘柄でパフォーマンスを計測することが目的ですが、インデックスに含まれない有望な銘柄を見逃してしまう可能性が出てきます。
インデックスに代表的な銘柄として組み入れられている銘柄は流動性の高い、時価総額の大きな銘柄に偏ってしまうのです。
新興国のように市場の効率性があまり高くない市場においては、アクティブ運用によって市場平均を上回る実績が上げやすいと言われますが、ファンドの実績を見ると、必ずしもそうはなっていないようです。インデックスにも、問題があるのは事実ですが、だからと言ってアクティブに銘柄選択をするのは短絡的な思考です。
1つの市場にも複数のインデックスが存在します。どのインデックスが投資対象としてもっとも良いものなのか。完全なインデックスは存在しないとしても、ベターなインデックスを使うようにすることが、投資の成果を向上させるために大切なことです。
コラム執筆:
内藤 忍 1964年生まれ
株式会社マネックス・ユニバーシティ 代表取締役社長
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