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<質問>
毎月分配型のファンドに興味があります。外国債券、REIT、と投資対象がいろいろありますがファンドの仕組みは一緒ですか?商品選択の注意点を教えてください。
<回答>
お問い合わせありがとうございます。今週はマネックス・ユニバーシティ内藤忍が回答いたします。
毎月分配型ファンドとは、分配金が毎月支払われる投資信託のことを指します。組み入れられている商品は外国債券、REITなど様々ですが、通常の投資信託と同じ仕組みです。この毎月分配型は、分配金が毎月もらえるということで人気が高いのですが、注意すべき点が2つあります。
1つは組み入れられている商品の価格変動です。不動産や外国債券は賃料収入や債券の金利を定期的に受け取ることができ、それを原資にして分配金を支払う仕組みになっています。しかし定期的に受け取ることができる金額とは別に資産自体も価格変動します。例えば、金利が上がれば債券価格は下落しますし、不動産価格が下がればREITの価格も下落することがあります。価格が下落しているのに分配金を支払い続けると、分配金でプラスになっているように見えてもファンド自体の価値の下落でマイナスのリターンになることもあり得ます。
毎月分配型商品は不動産や債券だけではなく高配当の株式を組み入れた商品も登場しています。分配金の実績に多くの個人投資家は注目して商品選択をしていますが、高金利の債券には為替のリスクがあり、円高になれば円ベースでの資産価額が下落する可能性があること、不動産も物件の価格の変動が大きいことなど、意外にリスクの高い商品であることに注意してください。
もう1点は分配金が毎月必要ない資産形成世代の人であれば、毎月分配型商品を活用する必要はありません。分配金には課税されますから、使う当てのない資金であれば、むしろファンド内で再投資された方が効率的な運用ができるのです。
いずれにしても、毎月分配型商品を購入する場合、分配金とファンドの基準価額の動きをトータルに計算して、他のファンドと比較した上で、実績のあるファンドを選択するようにしましょう。
コラム執筆:
内藤 忍 1964年生まれ
株式会社マネックス・ユニバーシティ 代表取締役社長
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