第 227 回 損失回避が第一の商品選択

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第 227 回 損失回避が第一の商品選択

20110805_Mr.Yoshino.jpg<質問>
これまで預貯金しか経験がありませんが、投資をしてみようと考えています。損をしたくないのでリスクの低い商品をいくつか保有したいと思います。よい商品を教えてください。

<回答>
ご質問をありがとうございました。オフィス マイ エフ・ピーの吉野充巨がお答えします。
低リスクとのご要望ですので為替変動リスクの無い国内債券を投資対象とする3つの商品をご紹介いたします。

1つ目は個人向け国債です。一般的にほぼ無リスクとして紹介される「個人向け国債」は、投資金額が1万円単位で、期間は3年、5年、10年から選べます。3年と5年は固定金利で、10年は変動金利です。利率は発行都度(3カ月毎)、基準金利を基として設定されます。期日まで保有すると額面で償還されます。期間途中でも発行から1年経過以降であれば、前2回分の利子相当額(税引前)×0.8を支払うことで、換金が可能です。個人向け国債10年変動は購入後も基準金利×0.66(最低0.5%は保証)で毎期金利が設定されますので、金利上昇局面には利率も上昇する、インフレにも対応する商品です。

2つ目はMMF(マネー・マネジメント・ファンド)です。公社債や短期金融商品で運用され、償還期限の無い、安全性の高い投資信託です。過去、2000年と2001年に元本割れをしたMMFは有りましたが(MMFは運用する会社によってそれぞれ中身が異なります。当時、元本割れをしたMMFと運用に影響を受けなかったMMFがありました)、以降は運用も厳格化され、元本割れは現在まで発生していません。毎日決算し、分配金は月末にまとめて再投資される複利運用の商品です。分配金の実績利回りは運用会社ごとに異なりますので比較検討下さい。現在の運用利回りは銀行の定期預金程度ですが、市中金利が高くなれば利回りも上昇します。購入から30日未満で解約する場合、信託財産留保金が1万口あたり10円かかりますが、30日を経過していればいつでも手数料等がなく解約でき、証券会社によってはATMでの引出も可能です。

3つ目の商品は国内債券型の投資信託です。前述2商品より、リスクと期待リターンが高く、国内の公募債券市場全体の動向を表す指数に連動するインデックス投資信託などがあります。主な投資対象が円建ての債券なので株式や不動産を対象とする投信にくらべリスクは低く、過去59年間の年間運用成績の最悪リターンは約6%のマイナスでした(筆者手持ち資料より試算。指数換算、コスト含まず)。


投資信託はあくまで運用した結果を受け取るもので運用利回りを確約するものではありません。
預貯金と同じ感覚で約束された利息を受け取りたいという場合は、国債。定期預金並みのリターンで流動性を伴って運用したい場合はMMF。預貯金以上のリターンを求めるには国内債券型の投資信託という具合に、ご自身の運用ニーズにあわせてまずは商品を選択することをおすすめします。


コラム執筆者:
吉野 充巨。
オフィス マイ エフ・ピー 代表。
生活情報サイト「オールアバウト」、「マイベストプロ東京」などにコラムを掲載。お客様の「夢や希望」実現のため、安心・納得のライフプランの作成と長期的な資産の運用を提案する、アドバイス専門のファイナンシャル・プランナー。

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