第 231 回 投資リターンを最大化させる決定要因

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第 231 回 投資リターンを最大化させる決定要因

<質問>投資信託の運用会社はたくさんあるようですが、区別がつきません。よい運用会社と悪い運用会社は何で見分ければよいのでしょうか。

<回答>

今週は『ど素人がはじめる投資信託の本』『ど素人が読める決算書の本』の著者であるジョン太郎氏が回答します。

相当詳しくならない限り、見分ける方法はない、というのが私の率直なご回答です。ただ、良い運用会社と悪い運用会社を見分けなくても投資は可能ですし、見分ける必要性はあまりないと思います。投資の目的というのは資産を殖やすことであり、資産が殖えるかどうかを決めるのは投資した資産のリターンであり、そして投資した資産のリターンは様々な要素によって決まってきますが、「選んだファンドによる差」よりも「どの資産にいくら投資したかによる差」、のほうが遥かに大きくなります。

たとえば、インド株に投資するかどうか悩んでいる人が、A社が運用するAファンドとB社が運用するBファンドで悩んでいるとします。結局決めきれないのでインド株への投資をやめてしまった、あるいは先延ばしにしてしまった、という場合。この時もしインド株が市場全体で80%くらいのリターンをあげたとします。おそらくAファンドとBファンドの差はせいぜい75%対85%、くらいの差でしょう。

ところがこの期間、投資をしないで預金においていたならばそのリターンはほぼゼロでしょうし、インド株が80%のリターンをあげている期間中、市場全体で20%ぐらいのマイナスだった資産に投資をしていたならどんなにいい運用会社のいいファンドを選んでいたとしても、おそらくマイナスのリターンになっていることでしょう。

このように、投資のリターンを決める一番大きな要素は、「どの資産にいくらずつ投資するか」です。巷に溢れている情報にはファンドを比較したものが多く、「たくさんあるファンドの中からいいファンドを選ばなきゃ」「たくさんある運用会社の中からいい運用会社のファンドを選ばなきゃ」という感覚になってしまうかもしれませんが、そんなものに惑わされる必要はありません。世の中の大半の情報は「あまり詳しくない人たち」によって発信されているものですし、投資でうまくいくために大切なことは「本やインターネットやテレビで発信されている情報が全て正しいわけじゃない」ということを認識することではないかなと思います。

まずはご自分の資産を、どの資産にいくらずつ配分するのかをじっくり考えてみましょう。あとは決めた配分に従って、その資産で運用するファンドの中から好きなものを選べばよいのです。


コラム執筆:

ジョン太郎 
金融業界の様々な分野で経験を積んできた現役金融マン。

投資・運用・金融・経済など、お金にまつわるトピックをわかりやすく解説しているブログ「ジョン太郎とヴィヴィ子のお金の話」
は人気を博し、各種のサイトで紹介されている。
著書に「ど素人がはじめる投資信託の本」、「ど素人が読める決算書の本 」がある。


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【応募期間】2011年8月19日~2011年9月4日

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