第 232 回 毎月の貯蓄・投資に振り向ける適正金額

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第 232 回 毎月の貯蓄・投資に振り向ける適正金額


<質問>

周囲の友人たちの貯金額を聞いてあわてて貯金をしはじめました。
大きく出遅れた分、早く追いつきたいのですが、毎月どのくらい投資や貯蓄に振り向ければよいかわかりません。

<回答>

ご質問を有難うございました。オフィス マイ エフ・ピーの吉野充巨がお答えいたします。
御友人に追いつきたいとのお気持ちは大切ですが、無理な貯蓄や投資は、家計への負担が大きくなります。貯蓄の使用目的により目標額も変わりますし、例えば住宅購入、老後資金などによっても貯蓄・投資期間が異なります、無理のないペースで貯蓄と投資の金額を考えましょう。

私は、ファイナンシャル・アドバイスの仕事に携わっていますが、その際には、貯蓄・投資に振り向ける金額は、相談者自身のライフステージなどに合わせ、通常可処分所得の10%~20%を振り向ける率としてお勧めしています。

一つの目安として、総務統計局家計調査平成22年家計収支の状況(総世帯のうち勤労者世帯)から貯蓄に回した比率をご紹介します。このケースでは、月の可処分所得の72.7%が消費支出で、黒字は27.3%でした。

黒字のうち可処分所得の15.6.%が預貯金に、同5.6%が保険へ、土地家屋の借金返済が同6.9%、その他がマイナス0.2%です。上記比率を基にした場合、相談者が住宅ローン等の借金が無ければ、貯蓄には22.5%を回せることになります。それに加え、保険に掛ける金額を貯蓄・投資に回せば28.1%になります。

なお、同家計調査黒字の内訳の推移によれば、預貯金の純増分は、平成13年から5年間の平均は約12.3%、平成18年から22年の5年間では約15.0%で2.7ポイント増加しています。
相談者は、お友達に早く追いつきたいとの事ですので、平均より少し負荷をかけて比率は5% 高い15~25%程度で考えてはいかがでしょう。

投資と貯蓄の比率を決定する際、優先するのは貯蓄です。緊急な出来事に対応する為のお金はすぐ使えるように預貯金でご準備ください。

私は、毎月の支出(ローン返済含む)の6ヵ月分と、今後1年内に出費する予定の大口の資金(例えば家電、家具、車、出産等の大きな買い物やイベント)を、預貯金にて準備した後に、余裕資金を投資に振り向けるようお勧めしています。

預貯金の預け先は、普通預金に3ヶ月~6ヶ月分、残りを半年と一年定期預金としておけば、疾病、リストラなどの緊急事態でも家計の安定度が高まります。元本保証ではありませんが、投資信託のMMFなどは、安定運用で且つ、流動性の高い運用先です。非常時の資金の運用先として選択肢にいれてもよいでしょう。こうした非常時の準備資金は必要額を常時維持したいものです。一部取り崩しをした際などには、早めに月々の収入で補充しましょう。

余裕資金を投資に回す際には、単年度でどの程度赤字が出ても投資が継続できるかを考えたうえでリスクのある商品への投資金額を決定しましょう。

例えば、100万円を投資して、20万円以内の損失なら、投資の継続は可能と考えたとしましょう。

まず、50万円を定期預金と一般的にリスクが低いとされる日本国債に投資したとします。残りの50万円をリスク資産である株や外国債券などへ投資したとすると、これらでもし仮に40%(20万円)の損失が出ても、当初予定していた20万円の損失におさまるため、投資の継続が可能ではないでしょうか。

ご自身の損失許容度に応じて貯蓄と投資の額をご検討ください。

(※)平成23年2月発表、総務省統計局の家計調査報告[家計収支編]より、平成22年の家計収支の状況より抜粋

コラム執筆者:吉野 充巨
オフィス マイ エフ・ピー 代表 生活情報サイト「オールアバウト」、「マイベストプロ東京」などにコラムを掲載。お客様の「夢や希望」実現のため、安心・納得のライフプランの作成と長期的な資産の運用を提案する、アドバイス専門のファイナンシャル・プランナー。

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