第238回 塩漬け株の売却・保有を考える4つのポイント

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第238回 塩漬け株の売却・保有を考える4つのポイント


<質問>

塩漬けの日本株の個別銘柄をいくつか保有しています。
(セクターは別のものですが)売却すべきか否か悩んでいますが、考え方を教えてください。

<回答>

ご質問を有難うございました。オフィス マイ エフ・ピーの吉野充巨がお答えいたします。塩漬け株の売却・保有を考えるポイントを4点説明します。

まず一つ目のポイントは、塩漬けにされた期間で考えることです。
国内株式の1952年から2010年のデータでは下落は数回ありましたが、それぞれ2~3年の下落が続いたあと上昇しています。従って、当該銘柄の塩漬け期間の長短により、保有・売却を判断するのもよいのかと思います。この場合は、3年を超えて株価が上昇しない銘柄が売却を考える対象と考えます。

二つ目は、ご自身の購入動機の変化で考えるものです。
この場合、購入価格は全く参考とせずに点検ください。現時点で当該企業を購入しても良いと思われる場合は継続保有を、その企業を買おうと思わない場合は売却をお考えください。

例えば、購入時には当該企業の品質が優れていることから売上げが伸びると考えた、売上利益率が業界の平均より高かった、各種データで成長が見込まれると思った、TVコマーシャルを見て好感度が上がった、など様々な購入動機があろうかと思います。それら、当時感じた・分析した事柄が、現在はどうなのかで評価します。
評価した内容をメモして、それらに○を付けられなければご自身にとって魅力が無くなった企業ですから、保有される意義は少ないものと考えられるでしょう。

3つ目は、当該銘柄の株価とTOPIXや業種別指数との比較です。購入時から現在までの下落率が両指数と同程度であれば、銘柄固有の下落では無く、日本株全体の不振、または業種特有の動向です、日本株が回復の際には保有している銘柄も上昇の可能性が高く、保有を継続。大幅に下方に乖離していれば、当該企業が業種内で負けている可能性も高いので、売却を考えます。

別な観点ですが、塩漬け株の存在は配当金を得るだけの銘柄とも言えます。現在の配当利回りが、国債利回りよりも高いのであれば、継続保有をお考えください。

損失の確定は、心理的には困難ですが、上記4点での確認を行い「継続保有すべき要因が無いかもしれない。」と考えられるのであれば、売却して、別な銘柄又は資産クラスでチャレンジするのもよいのではないでしょうか。

コラム執筆者:吉野 充巨

オフィス マイ エフ・ピー 代表 生活情報サイト「オールアバウト」、「マイベストプロ東京」などにコラムを掲載。お客様の「夢や希望」実現のため、安心・納得のライフプランの作成と長期的な資産の運用を提案する、アドバイス専門のファイナンシャル・プランナー。

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