今知りたい!投資の悩みやお金に関する質問に資産運用の熟練講師がお応えします。
<質問>
長期で株式投資をしていこうと実践中ですが、日々のニュースなどを見ると、今は長期投資のスタンスをとっているときではないのかと心配になります。長期投資も始めるタイミングをはかるべきでしょうか。
<回答>
今週は『ど素人がはじめる投資信託の本』『ど素人が読める決算書の本』の著者であるジョン太郎が回答します。
アセットクラスによって程度の差こそあれ、それぞれの資産の価格は日々動いていますので、今日買うか、明日買うか、というタイミングによって差は生じます。今日よりも明日のほうが、値段が下がるのであれば、明日買ったほうがいいですし、1ヵ月後のほうが安くなるのであれば1ヵ月待ってから始めたほうがいいでしょう。もちろん、それが事前に分かるのであれば、の話です。
タイミングをはかって、少しでも安く買おうとするのを否定するつもりはありません。ある株を長期投資目的で買いたいが今は市場が過熱していてPERが30倍を超えているのでちょっと様子を見てから買おう、ハイイールド債券に投資しようと思うがスプレッドが5%を割り込んでいてやや割高な感じがするので少し待ってみよう、自分の予想ではここから先悪いニュースがたくさん出てくると思うのでちょっと様子を見てみよう、こうしたことは誰もが思うことで、うまくいくかどうかは別として、良い・悪いを言えるものではないと思います。投資はその人の考えに合ったやり方でするのが一番ですから。
ただ、投資の世界で「明日のほうが下がるなら明日買いたい。どなたか、明日のほうが下がるかどうか教えてください」と言うのは、ナンセンスです。明日のことは誰も分からない、未来を知っている人はいない、というのが投資の世界の大前提ですから、この大前提を否定することはいけません。自分のお金を投資する人が、自分の信じるところに従って投資のタイミングをはかることは結構なことですが、他人が責任あるアドバイスなどできるわけがないのです。未来を知っている人はいないのですから。
ですから、タイミングをはかったほうがいいのか悩んだら、
【1】自分の思うところがあればそれに従ってタイミングをはかる。(タイミングを誤っても誰も恨めない)
【2】未来は誰にも分からないんだからタイミングをはかっても無駄だと諦める
のどちらか好きなほうを選べばよいかと思います。
また、【2】を選ぶ人の気持ちを楽にする話としては、こんな話があります。日経平均株価はかつて100円だった時代があります。100円以下になったこともあります。100円で買うより80円で買ったほうが良いでしょうが、100円で買った人、80円で買った人、悩み続けて結局今日まで買えなかった人、の中であなたが、「なりたくない」のはどの人ですか?投資というのはそういうものだと思います。
コラム執筆:
ジョン太郎
金融業界の様々な分野で経験を積んできた現役金融マン。
投資・運用・金融・経済など、お金にまつわるトピックをわかりやすく解説しているブログ「ジョン太郎とヴィヴィ子のお金の話」は人気を博し、各種のサイトで紹介されている。
著書に「ど素人がはじめる投資信託の本」、「ど素人が読める決算書の本 」がある。
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