第242回 30代前半・ビジネスマンの投資信託選び~毎月分配型のファンドは継続保有したほうがよいのか?~

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第242回 30代前半・ビジネスマンの投資信託選び~毎月分配型のファンドは継続保有したほうがよいのか?~

<質問>

30代前半の男性です。

2年ぐらい前から毎月分配型の投信を保有しています。
基準価額が下がっているので、売却し別のものを検討するか、または現金化しようかと思っています。今後どうするのがよいでしょうか?

<回答>

ご質問を有難うございました。オフィス マイ エフ・ピーの吉野充巨がお答えいたします。
ご質問者は30代前半とのこと、投資信託購入の期間と目的別に投資対象をご説明いたします。

現在保有の毎月分配型の基準価格が低下している理由として、投資信託が対象とした投資先(株式や債券)の価格低下の影響も在りますが、毎月分配金を支払うため、元本部分から分配金を支払うことによる低下も考えられます。お受け取りになられた分配金に税金の金額が表示されていない場合には、質問者ご自身の元本が戻ってきたものです。

従って、毎月分配型の投信は、分配金支払いの都度、税の支払、売買・業務が掛るなど資産を増やす点では効率の良い商品ではありません。年金生活者の様に、生活費を補充する為に毎月一定額を必要とされる方達には、良くできた仕組みの商品です。ご質問者の購入目的が、一定額を得るタイプで有れば、継続保有を検討するのもよいと思います。

一方、資産形成を目的に長期の保有をお考えの場合、または、将来の老後資金を目的とする場合には、分配型でない投資信託を選びなおすのも1つの選択肢だと思います。
長期投資では十分に分散したポートフォリオで運用する場合、その成果の91%は資産配分によるものとされています。

この場合の選択肢としては、2つの種類の投資信託が考えられます。1つには、既に複数の資産クラスで構成されたバランスファンドの中から、ご自身のリスク許容度に合わせたファンドを選ぶ方法。2つ目としては、短期金融商品(預金やMMF)に加えて、国内株式・国内債券・海外株式・海外債券等単独の資産クラスを対象とする投資信託を、ご自身のリスク許容度に資金を夫々に配分して購入する方法です。

例えば、売却で得た資金を、5つの資産クラスに均等(20%ずつ)に配分した場合には、弊社保有システム FP PoPSで試算しますと、期待リターンは4.2%、最悪のケース(標準偏差2の場合)はマイナス11.4%です(指数によるものでコスト含まず)。この数値をベースに、リスクを下げるには、短期金融資産と国内債券に配分を多くし、リスクは高くなるものの、期待リターンを高めるためには、国内株式と海外株式に資金を投ずるなど夫々の資産クラスの購入比率を変更します。

暫く投資をお休みする際には、資金の運用先として現金化でなく円建てMMFマネー・マネジメント・ファンド)を購入することをご検討下さい。円建てMMFは公社債や短期金融商品で運用され、償還期限の無い、安全性の高い投資信託です。購入から30日未満に解約する場合、信託財産留保金が1万口あたり10円かかりますが、30日を経過していればいつでも手数料等がなく解約でき、証券会社によってはATMでの引出しが可能です。

★説明事項

文中にあるFP Popsは、弊社がイボットソン・アソシエイツ・ジャパン社から購入しているアセットアロケーション設計のソフトです。2011年購入のものを使用しています。
当該5資産に均等配分した際のリターンは4.2% リスクは7.8%です。

投資信託取引に関する重要事項

<リスク>

投資信託は、値動きのある有価証券、商品、不動産等を投資対象としています。投資信託の基準価額は、組み入れた有価証券、商品、不動産等の値動きや為替相場の変更等の影響により上下するため、これにより元本損失が生じることがあります。投資信託は、投資元本及び分配金の保証された商品ではありません。

<手数料等(税込)>

投資信託ご購入の際には、申込金額に対して最大3.675%を乗じた額の申込手数料がかかります。また、購入時又は換金時に直接ご負担いただく費用として、約定日又はその翌営業日の基準価額に最大3.2%を乗じた額の信託財産留保額がかかります。さらに、投資信託の保有期間中に間接的にご負担いただく費用として、純資産総額に対して最大2.7125%(年率)を乗じた額の信託報酬のほか、運用成績に応じた成功報酬その他の費用がかかります。その他費用については、運用状況等により変動するものであり、事前に料率、上限額等を示すことができません。手数料(費用)の合計額については、申込金額、保有期間等の各条件により異なりますので、事前に料率、上限額等を表示することができません。

<その他>

お取引の際は、当社ウェブサイトに掲載の「目論見書補完書面」「目論見書」「リスク・手数料などの重要事項に関する説明」を必ずお読みください。

マネックスからのご留意事項

「お金の相談室」では、マネックス証券でお取扱している商品・サービス等について言及している部分があります。
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商品ごとに手数料等及びリスクは異なりますので、詳しくは「契約締結前交付書面」、「上場有価証券等書面」、「目論見書」、「目論見書補完書面」又は当社ウェブサイトの「リスク・手数料などの重要事項に関する説明」をよくお読みください。

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