第244回 新興国への投資、3つのポイントで考える

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第244回 新興国への投資、3つのポイントで考える

<質問>
投資信託での新興国への投資を検討しています。
「新興国」と一口で言っても BRICsやインドネシアや ASEAN、それぞれの単一国へ投資するファンド、はたまた、新興国インデックス(20数カ国)など
多数あるようですが、選択するための考え方を教えてください。

<回答>
ご質問を有難うございました。オフィス マイ エフ・ピーの吉野充巨がお答えします。
選択の方法について3つの考え方をお答えします。

1つ目は、情報量(情報・データ等)によって対象とする国や地域を選択する方法があります。情報を得る機会が新聞・経済誌などで情報取得に費やす時間が少ない場合には、報道・情報が載る機会が多い、新興国インデックス(20数カ国)、BRICs、ASEAN、ラテンアメリカなど、複数の国や地域を対象とするファンドからお選びになられては如何でしょう。お仕事や訪問頻度で、国や地域の情報を得やすい場合、または、その国が好きで、お友達が多く、様々なルートで情報が得る機会が多い場合には、単一の国を対象とした銘柄を検討するなど、ご自身の持つ判断材料の多さで選択を考える方法です。

2つ目は、購入する投資信託またはETFの種類・ETFであれば、上場している証券取引所や、取引をする金融機関により銘柄選びの対象を絞る方法です。

投資信託を購入する場合には、1.で選択した国や地域に合致する銘柄を決め、その上で、該当商品を取り扱っている金融機関で購入します。

一方、上場投資信託(ETF)を購入する場合、東京証券取引所に上場しているものに限定すると、単一の新興国を対象とするもの8本、新興国インデックス(20数ヶ国)を対象とするもの1本と日本を除くアジアの債券を対象とする1銘柄(2011年7月22日現在)の中から選択することができます。証券会社によっては、海外の市場(ニューヨーク市場・アルカ市場、香港市場、シンガポール市場等)で調達が可能になりETF銘柄本数が拡大します。株価指数や債券指数に連動するもの、単一の国、地域やグループ、そして新興国インデックスに連動するファンドも複数あり、同じ指数でも比較対象が可能で、その中から選択いたします。

3つ目は、投資金額とリスクに関連して選択する方法です。新興国への投資は、高いリターンが期待されるものの、その投資効果が得られるまでの期間が長期的になることがあります。また、先進国に比べ、国家や企業の信用リスク、流動性リスク、為替変動のリスク、その他リスクも高いため、元本が棄損する場合もあります。従って、リスクを抑えるために、通貨、株式と債券など複数の銘柄を購入するか、分散効果の高い銘柄を選ぶ方法があります。投資金額が少額の場合は、一つの銘柄の中で対象とする国が多いもの、投資金額が増えるに従い、銘柄で分散を図る等選択対象を増やす方法があります。

合わせて投資リスクを抑える方法として、投資金額を予め金融資産の何%と設定されては如何でしょう。例えば500万円の金融資産を有されている方が、新興国に50万円を投資(10%)し単年度で15万円の損失が生じた場合、全体へ影響は3.0%の損失となります。このように投資をする金額でリスクをコントロールすることも検討するとよいでしょう。

コラム執筆者:吉野 充巨

オフィス マイ エフ・ピー 代表 生活情報サイト「オールアバウト」、「マイベストプロ東京」などにコラムを掲載。お客様の「夢や希望」実現のため、安心・納得のライフプランの作成と長期的な資産の運用を提案する、アドバイス専門のファイナンシャル・プランナー。

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