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<質問>
金は安全資産と言われることも多いですが、個人投資家が金に投資するにはどのような選択肢があるのでしょうか
<回答>
ご質問を有難うございます。私、オフィスマイエフピーの吉野充巨がお答えします。
「安全資産か」という観点と、購入についてお答えします。
一般的に、株式は経営破綻により無価値な紙になること、債券はデフォルトの発生もある無形資産となる場合があります。一方で、金は希少な貴金属で無価値にはならない実物資産であること、過去には流通貨幣であり、現在も世界中どこでもドル等の通貨と交換できることから、安全資産と言われることがあります。しかし、金は価格変動の大きなリスク性資産の1つといえるでしょう。
金取引の基準とされる、ロンドン金価格の推移で確認すると1971年のニクソン米大統領による金ドル交換停止(1トロイオンス=35ドル)以降、2回の変更(35ドル→38ドル→42.22ドル)を経て、1973年から金は市場で価格が決定される商品となりました。
その価格は1971年1オンス35ドルから2011年9月の40年間で約54倍の1,896.50ドル(9月高値)迄,上昇しました。近々10年の上昇は2004年に金現物連動型ETFがニューヨーク市場に上場した際に、投資マネーが参入した影響があります。
過去の金価格を振り返ってみましょう。
1971年以来価格は上昇・下降を繰り返しています、例えば1980年の高値850.0ドルから、1999年安値252.80ドルまで下落した局面もありました。また、単年度の高値と安値の幅も大きく、1970年代の変動幅(高値÷安値×100-100)%平均は約56.3%、1981年~1990年平均約33.8%、1991年~2000年平均約17.2%、2001年~2010年平均約30.5%ですので、株式同様に価格変動の大きな商品と言えます。
一方、日本円での値動きは為替が大きく影響します。日本円での過去の高値は、1980年の1オンス約193,700円(TTS 227.83円)です。2011年9月高値は日本円では約147,700円(TTS77.88円)になり最高値は更新できていません。
従い、金を投資対象として保有される際には、資産の5~10%の配分にされる等のリスク分散をお考えになるとよいでしょう。
現物購入としては、金地金(バー)と地金型金貨の2種類の選択肢があります。バーは金地金商、大手鉱山会社、商社、銀行、証券会社、商品取引会社などが取り扱っています。価格はg×価格+販売手数料+税です。 (手数料・小売価格は販売会社によって異なります)。
地金型金貨は百貨店、宝飾店、貴金属商の代理店などでも扱いがあります。(ウェブサイトなどでご確認ください)。また、一部企業では純金積立の取り扱いがあります。
他には、金の現物に交換できる上場投資信託(ETF)が2銘柄東京証券取引所に上場されています。証券会社で株式同様、価格×口数+取引手数料で購入できます。
毎月一定額で積立を行うには、投資信託の積立が選択できます。
コラム執筆者:吉野 充巨
オフィス マイ エフ・ピー 代表 生活情報サイト「オールアバウト」、「マイベストプロ東京」などにコラムを掲載。お客様の「夢や希望」実現のため、安心・納得のライフプランの作成と長期的な資産の運用を提案する、アドバイス専門のファイナンシャル・プランナー。
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