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<質問>
今年口座を開設したばかりの初心者です。債券を個別に保有するのと、投資対象が債券の投資信託を保有するのはどちらがよいのでしょうか?それぞれのメリット・デメリットを教えてください。
<回答>
ケースバイケースなので、違いをご説明することはできても、ある違いが一方にとってメリットになる場合もデメリットになる場合もありますので、それぞれのメリット/デメリットという具合にお伝えすることは難しいということを先にお断りさせていただきます。そのうえで、いくつか主な違いを紹介します。
【いくらから買えるか】
投資信託は通常1万円とか千円といった単位から買えますが、債券というのは発行する時の条件次第です。1口が1,000万円からというものもあれば、1億円からというものもあれば、日本の個人向け国債のように1万円から買えるものもあります。ある国の国債の利回りが高いのでそれを買いたい、と思っても発行条件が1口1億円であれば個人投資家ではなかなか手を出すことができませんが、その国債を組入れた投資信託があれば、1万円から買うことができます。
【少額で分散できるか】
1つ目のポイントを踏まえての話ですが、投資信託はたくさんの人のお金をまとめて投資するので自分が投資する額は少額でも、ファンド全体では大きな金額として運用することが可能であり、1万円で100銘柄の債券を組入れたポートフォリオというのも実現できます。特に社債やハイイールド債など、リスクが高いものほど分散投資の重要性・有効性は増していきます。個別の債券に直接投資する場合、たとえば利回りが高いのが魅力だがリスクも高いので分散投資をしておきたいある社債群に分散投資しようと思っても、通常は実現できません。
【アクセス】
日本国債であれば個人投資家が投資することもさほど難しくありませんが、中国の国債、 ロシアの社債、ということになるとそのハードルは非常に高くなります。現地に口座を開け、資金を送金し、クーポンや解約代金の受取ルートを確保し、日本語以外で書かれた説明書を読み、税金の支払い手続きをし、問い合わせも現地にする必要があり・・・とその市場にアクセスするために超えなければならない様々なハードルをクリアしなくてはなりません。投資信託を通じてそれらのものに投資する場合はそれらの問題を比較的簡単にクリアできます。また、機関投資家限定で発行される債券もたくさんありますが、投資信託を通じてであれば、そうした債券への投資も可能です。
【手数料】
投資信託は、投資信託自体の手数料がかかります。具体的な手数料の種類としては、申込手数料・解約手数料・信託財産留保額というものがあります。但し、申込手数料などは、販売会社・投資信託の種類によってノーロード(0円)の設定をしているものもあります。
債券についてみると、売買する手数料、債券を保管してもらう手数料、円以外の債券なら為替の手数料、海外の債券を買う場合の送金手数料、などがあり、これは直接債券を買っても投資信託を通じて買ってもかかります。ただし、投資信託を通じて買う場合、個人で直接債券を買うよりもこれらの手数料率が安くなる、ものによっては大幅に安くなることがあり、投資信託の手数料を払っても結局は直接債券を買うよりも安くなる場合もあれば、そうでない場合もあります。
コラム執筆:
ジョン太郎
金融業界の様々な分野で経験を積んできた現役金融マン。投資・運用・金融・経済など、お金にまつわるトピックをわかりやすく解説しているブログ「ジョン太郎とヴィヴィ子のお金の話」は人気を博し、各種のサイトで紹介されている。著書に「ど素人がはじめる投資信託の本」、「ど素人が読める決算書の本 」がある。
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