第252回 投資エリアを考えるとき、見ておきたい3つの指標

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第252回 投資エリアを考えるとき、見ておきたい3つの指標

<質問>

今は債券へ投資する投資信託のみ保有しています。このところ株式市場が以前と比較すると好況なので、比較的低額からの投資が可能な株式に関連した投資信託を買ってみようかと考えていますが、どこの国の株のへの投資を検討すればよいのかが分かりません。比較する時に外せない指標を3つ挙げるとすれば何がありますでしょうか。

<回答>

どこの国の株を買うべきかを考えるときに見るべき指標を3つに絞るというのはなかなか難しいですし、人によって重視する指標は異なると思いますが、ご参考までに私の個人的な考えをお話しさせていただきます。

結論から申し上げますと、
【1】投資する市場の規模(時価総額合計)【2】PER【3】今後の予想経済成長率(IMFなどが発表しているものでよいと思います)の3つです。


【1】投資する市場の規模(時価総額合計)で知ることができるのは、リスク(ボラティリティ、変動幅の大きさ)。株でも債券でも為替でも、規模の小さな市場は大きく動く、が大原則です。ちょっとまとまった資金の買いが入れば大きく上がり、まとまった売りが入れば大きく下がる、のが小さな市場の特徴です。


【2】PERで割安度・割高度を知ることができます。株価がいくら上昇していても同じペースで利益が伸びていればPERは上がりません。一方、株価が利益と関係なく上がっているような場合、利益が伸びているわけでもない株が単に取引量が少ないがためにまとまった買いが入ってぐんぐん上がっているというような場合はPERが上昇します。これによってとんでもないバブル状態の株を買ってしまうことを避けられます。


【3】今後の予想経済成長率(IMFなどが発表しているものでよいと思います)によって今後の利益成長のイメージを知ることができます。【1】のリスクや【2】の割安度・割高度との見合いで期待できるリターンのイメージをつかむことができます。経済成長率というのは通常GDP成長率のことであり、GDPというのは付加価値、平たく言えば儲けのことですから、経済が成長するということはその国で生み出される儲けが増えるということを意味します。儲けを生み出すのは基本的には政府・家計・企業のうち企業だけです。ある国の経済が成長するということはその国の企業の利益が伸びるということに近い意味を持ちます。

もしどうしても3つに絞るということであれば私はこの3つに絞ります。ご参考になれば幸いです。

コラム執筆:
ジョン太郎
金融業界の様々な分野で経験を積んできた現役金融マン。投資・運用・金融・経済など、お金にまつわるトピックをわかりやすく解説しているブログ「ジョン太郎とヴィヴィ子のお金の話」は人気を博し、各種のサイトで紹介されている。著書に「ど素人がはじめる投資信託の本」、「ど素人が読める決算書の本 」がある。

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