第259回 経済ニュースを読む上で、見るべきポイント

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第259回 経済ニュースを読む上で、見るべきポイント

<質問>

投資をはじめたばかりの初心者です。
経済ニュースを読む上で、見るべきポイントがあれば教えていただけますか?
<回答>

どういう資産に投資をしているか、にもよると思いますが、やはり投資国に関するニュースと、グローバルなリスク環境を大きく動かす日米欧中の状態に関するニュースに注目すると良いのではないでしょうか。もちろん、目先のニュースに振り回されずに中長期的な目線でというスタンスでいてもいいと思いますが、ある程度ニュースもフォローしていって投資環境の変化などは掴んでおきたいということであればやはりこの2つの観点ということになると思います。


前者はイメージしやすいと思います。ブラジルに投資しているのであればブラジルに関するニュース、インドに投資をしているのであればインドのニュース、ということになるでしょう。特に新興国では政情が不安定になったり、投資規制や税制が大きく変わったり、マーケットを大きく動かすような事態が起こったり、と投資環境ががらりと変わってしまうようなこともよくあります。


また、成長軌道にのっていた国が、突然調子が悪くなってしまったりということもあります。こういった投資環境を変えるようなニュースは抑えておくに越したことはありません。経済成長率・失業率・インフレ率といった重要指標と併せて見ておくとよいと思います。

一方後者ですが、グローバルなリスク環境というのは特に短期的な動きや目先の市場の状況を捉えるのに非常に重要です。例えば先ほどのブラジルやインドの例でも、日米欧中の話は関係がないように思えるかもしれませんが、実は大きく関係しています。グローバルなリスク環境というのは端的に言えば世界中に溢れるお金がリスクをとってリターンを求めようとしているのか、リターンを我慢してリスクを避けようとしているのか、ということです。特に市場規模が小さいほどこうしたお金の出入りの影響を強く受けますので、取引の小さな通貨や市場規模の小さな資産に投資する場合には最も重要なポイントの1つになってくると思います。


小さな国で悪いニュースがあっても世界的にはあまり影響はありませんが、日米欧中といった大きな経済圏に悪いニュースがあると、世界的なリスク環境に影響が出ます。世界的にリスク環境が悪くなりリスクが嫌気されるようになると、たとえ非常に状態のいい国に投資をしていてもリスクを回避する資金の引き上げによる売りを浴びて大きく下がってしまうということもよくあります。


世界的なリスク環境と、投資国の個別事情、の2つを見ていく感覚を持つと良いと思います。


コラム執筆:ジョン太郎


金融業界の様々な分野で経験を積んできた現役金融マン。投資・運用・金融・経済など、お金にまつわるトピックをわかりやすく解説しているブログ「ジョン太郎とヴィヴィ子のお金の話」は人気を博し、各種のサイトで紹介されている。著書に「ど素人がはじめる投資信託の本」、「ど素人が読める決算書の本 」がある。

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