第263回 初めての投資に適した商品とは

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第263回 初めての投資に適した商品とは

<質問>

個人投資家が初めて投資を考えるとき、どんな商品が妥当だと考えられますか?または考え方を教えてください。

<回答>

金融商品の種類としては投資信託が良いと思います。少額でも始めることができ、少額でも分散投資をすることができ、アクセスの難しい市場にも簡単にアクセスができ、管理も容易で、自分で個別銘柄の選定をする必要がなく、多様な選択肢があり、情報開示や投資家保護のための法整備も他の金融商品と比べて進んでいると考えられるためです。投資信託という仕組みは非常に便利で優れていると思います。


そして、投資信託を通じて投資する最終的な資産としては、やはり月並みですが、自分の考えに合ったもの、自分のリスク許容度と期待するリターンに合ったもの、を選ぶことが重要です。


自分の考えに合ったもの、というのは例えば「私は、日本はこれから復活すると思う。」か「私は、日本はもうだめだと思う。」か、で投資すべき資産は大きく変わってきます。どちらかが正解ということはありませんし、未来を知っている人はいません。答えがない、未来は誰も知らない、というのが投資の世界の大原則で、その中で自分の大切なお金を投じるべきところを決めるのに最も良いのは自分の考えに合っているものに投資するということです。目安としては、自分が成長すると思える国に投資する、のが良いと思います。


横並び意識が強い傾向にある日本の投資家は、みんなが買っているもの、人気のもの、売れ筋のもの、を選びがちです。これでは自分の考え方に合ったものを選ぶことはできません。また、多くの人が群がって割高になっているものを高値掴みし、多くの人がパニック売りをして割安になっているものを安値で売り捨てる、という最悪のパターンになる可能性も高くなってしまいます。売れ筋のものに投資する時には他の資産に投資する時以上の注意が必要です。

また、市場の原則はハイリスク・ハイリターン、ローリスク・ローリターンですが、時にハイリスクでローリターンという割高なものもあります。自分が期待するリターンが3%程度であれば無理をして大きなリスクをとる必要はありません。自分が望むリターンをできるだけ小さなリスクで期待できるものを選ぶというスタンスを持ちたいものです。リスクは投資先に望ましくないことが起こるような一般的な用語でのリスクと、リターンの変動幅(大きく儲かるかもしれないが大きく損をするかもしれない)の大きさを表す投資の世界でよく使われるリスク、の2つがあります。前者はイメージしやすいと思いますが、後者のほうは一般的なイメージと大きく異なることがあるので注意が必要です。人気の豪ドル債券であれば日本株と同程度、グローバルREITであれば新興国株と同程度の変動幅があります。


まずは、自分はこれからどういう国が成長すると思うか、投資でどのくらいのリターンを期待するか、を考えてみてはいかがでしょうか。


コラム執筆:ジョン太郎


金融業界の様々な分野で経験を積んできた現役金融マン。投資・運用・金融・経済など、お金にまつわるトピックをわかりやすく解説しているブログ「ジョン太郎とヴィヴィ子のお金の話」は人気を博し、各種のサイトで紹介されている。著書に「ど素人がはじめる投資信託の本」、「ど素人が読める決算書の本 」がある。


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