第279回 個別銘柄投資への考え方

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第279回 個別銘柄投資への考え方


<質問>

日本株への個別銘柄投資をしたいと思っています。銘柄の選び方の考え方を教えてください。


<回答>

株式に投資するというのと、株式で投機をする、というのは異なると思います。一般に、短期的な売買を繰り返し、リターンを積み上げていくことを「投機」と呼びお金を投じた先の中長期的なリターンを得ようとすることを「投資」と呼びます。日本株への個別銘柄投資、ということですので、投資を行う、短期的に売買して儲けようとするのではなく、中長期的な目線で投資を行い中長期のリターンをとりにいくという観点でお話しさせていただきます。


中長期的な目線で投資する株式を選ぶのであれば、まず、第一は「潰れない会社の株の中から選ぶ」ということです。株式というのは会社が潰れてしまえば価値はゼロ、紙くずです。どんなに大きくて有名な会社だろうと、どんなに割安だろうと、どんな株価チャートになっていようと、どんなに配当が高かろうと、どんな魅力的な株主優待があろうと、会社が潰れてしまってはそういった一切のものが無意味です。


JALがいい例です。JALみたいな大きな会社が潰れることはないだろうと思っていた人はたくさんいたと思います。JALの株主優待がほしくてJAL株を買った人もいたと思います。チャートを見てこれはチャンスと考えてJAL株を買った人もいた人もいたと思います。しかしJALは潰れました。JALの株は紙くずになってしまいました。10万円買っていた人も1億円買っていた人もゼロになりました。


株に投資するのであれば(もちろん、たとえ投機であっても)、投資している期間にその会社が潰れてしまってはそれこそ元も子もありません。まずは潰れない会社の株を買わなくてはいけません。潰れない会社の株を買いましょう。自分が潰れないと考える会社の株を買いましょう。投資したお金がゼロになってしまわないために。投資する会社の決算書は必ず読みましょう。


次にリターンをあげるために、今後業績が伸びる会社、利益が今よりも伸びる会社、自分がそう思える会社の株を買いましょう。株価というのは短期的には様々な要因で変動しますが、中長期的には会社の利益の伸びを反映する傾向があります。利益が100倍になった会社の株価が全く上がっていなければPERは100分の1まで低下することになります。利益が伸びれば株価の上昇や配当の増加が期待できます。


あとは、とんでもなく割高な株価で高値掴みをしてしまわないようにPERなどの株価と利益・純資産・キャッシュフロー・配当金等を比較した指標もチェックしておきたいものです。が、これらは先にお話しした2点に優先するものではないと私は考えます。まずは潰れない会社かどうか、次に利益の伸びる会社かどうか、だと思います。


コラム執筆:ジョン太郎


金融業界の様々な分野で経験を積んできた現役金融マン。投資・運用・金融・経済など、お金にまつわるトピックをわかりやすく解説しているブログ「ジョン太郎とヴィヴィ子のお金の話」は人気を博し、各種のサイトで紹介されている。著書に「ど素人がはじめる投資信託の本」、「ど素人が読める決算書の本 」がある。

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