第290回 2013年の投資のポイントとは

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第290回 2013年の投資のポイントとは

<質問>
2012年、大納会は年初来高値で終わるきれいな形をとりました。辰巳天井もあながちジンクスではないとの声もありますが、2013年の投資のポイントを教えていただけますでしょうか。

<回答>
まず昨年後半から好調が続く世界的な株式市場の好調の要因を確認させていただきたいと思います。大きくは2つで、投資家心理の改善(リスク環境の好転)と先進国各国の金融緩和、です。

欧州ではギリシャのユーロ離脱がひとまず回避され、ユーロ解散の懸念も大幅に後退しています。米国では年末年始の財政の崖問題に対する懸念はあったものの、解決方向に向かうだろうとの市場認識があり、実際にクリアされました。こうしたことから投資家心理は改善方向に向かい、リスク環境が好転したことが世界各国の株式市場が年後半に上昇を見せた大きな要因の1つだと思います。また、先進国でかつてない規模で行われている金融緩和も世界の株式市場にとってプラスに働きました。

さらに日本の株式市場は日本の金融緩和による直接的な影響、金融緩和による円安がもたらす間接的な影響、が新たな好材料として加わってきたことで、堅調なパフォーマンスが見られました。

この2つは2013年も続くというのが市場で多く聞かれる意見です。これらが続くのであれば2013年も2012年後半と同じような好調が期待できるのではないでしょうか。また、投資家の見方が大きく変わらない限りは2012年後半に好調だった市場に引き続きお金が流入し、引き続き高パフォーマンスを記録すると考えられます。2013年の注目ポイントはこの2つ、ポジティブな投資家心理が崩れないか、金融緩和の流れが反転しないか、という点だと思います。

一方で、欧米共に財政問題は単に先送りに成功しているだけで本質的な解決がなされたわけではありません。また、先進国は成長率が低下しており、これに伴い先進国資産の期待リターンは低下を避けられない状況にあります。こうしたことから2013年の1年という短いタームではなく、もう少し長い中長期的な投資スタンスの見直しは検討の価値がある時期になっていると思います。先進国の財政問題や成長低下を考えると、ポートフォリオに財政健全国や高成長国を加える・比率を高めるなどの工夫が必要なのではないでしょうか。

コラム執筆:ジョン太郎

金融業界の様々な分野で経験を積んできた現役金融マン。投資・運用・金融・経済など、お金にまつわるトピックをわかりやすく解説しているブログ「ジョン太郎とヴィヴィ子のお金の話」は人気を博し、各種のサイトで紹介されている。著書に「ど素人がはじめる投資信託の本」、「ど素人が読める決算書の本 」がある。

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