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<質問>
はじめて投資信託を選ぶ際の具体的なポイントを教えていただけますでしょうか。
<回答>
世の中には数千本の投資信託があります。また、投資信託の比較やランキングをしているようなものもたくさんありますし、選び方に関する情報も氾濫しています。よくありがちでかつ避けるべきなのは、売れ筋や人気度合いによる比較・ランキングと、分配金による比較・ランキングです。
売れ筋や人気度合いによる比較・ランキングというのはお隣さんと一緒がいい、他の人と違うのは嫌、という日本人が好きなものの1つです。投資の専門的な知識をもっている人は少ないということや、ファンダメンタルズや割安度も考えない多くの人たちがやみくもに買っていて割高になっている可能性もあることを考えれば、むしろ売れ筋のファンドや人気のファンドを買う際にはそうでないファンドを買う時よりも慎重にすべきだと思います。
また、投資信託の分配金というのは保有している投信を自動的に一部解約されているのと同じです。分配金の有無や頻度や金額というのは、自動一部解約の有無や頻度や金額を表すに過ぎません。投資のリターンや損益とは全く関係のない話です。資産が増えるかどうかを左右するのはあくまでも投資先から得られるリターンです。そのリターンを大きく左右するものを基準にして選ぶべきです。
投資のリターンの多くの部分は個別商品でどれを買うかということよりも、どの資産にどのくらいずつ配分するかというアセットアロケーションで決まります。米国株に投資するファンドのAファンドにするかBファンドにするかの違いよりも、そもそも米国株にどのくらいの配分をするのか、で資産全体のリターンは大きく変わってきます。時間はできる限りどの国のどの資産にどのくらいずつ配分するべきか、を考えるために使うべきだと思います。それが決まったら、その資産で運用するファンドの中から自分の重視するポイントに合ったものを選べばよろしいかと思います。
また、株式にせよ債券にせよREITにせよ、自分が成長すると考える国を選ぶのが基本です。株式も債券もREITもその本源的なリターンの源泉は国の成長に影響を受けるところが大きいからです。また、一点張りや集中投資はリスクが大きくなるほどにはリターンが大きくならず、投資効率が低くなります。特に投資に慣れないうちは、分散投資をこころがけましょう。
コラム執筆:ジョン太郎
金融業界の様々な分野で経験を積んできた現役金融マン。投資・運用・金融・経済など、お金にまつわるトピックをわかりやすく解説しているブログ「ジョン太郎とヴィヴィ子のお金の話」は人気を博し、各種のサイトで紹介されている。著書に「ど素人がはじめる投資信託の本」、「ど素人が読める決算書の本 」がある。
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