第302回 短期的、中長期的に見ておいた方がよい指標とは?

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第302回 短期的、中長期的に見ておいた方がよい指標とは?

<質問>
新年度が始まりますが、見ておいたほうが良い指標や注目するニュースはなんでしょう。

<回答>
新年度だから、ということに限りませんが、短期的には世界のリスク環境の動向、中長期的には経済のファンダメンタルズが重要だと考えます。これからの短期的な市場動向を大きく左右するのはリスク環境です。

現在、世界のリスク環境はポジティブな状態が続いています。リスク環境をポジティブにしている最大のプラス材料は、世界的な金融緩和の流れです。日米欧を中心に世界的に大規模な金融緩和が継続的に行われていることがリスク環境をポジティブにしています。また、こうした金融緩和により景気が回復し始めている米国などから聞こえてくる明るいニュースや良好な経済指標は、投資家のリスク選好を押している格好となっています。現在の状況に鑑みれば、ヨーロッパの金融緩和は当面継続せざるを得ない状況、日本は世論も後押ししてこれから本格化、米国は当面継続すると見られていますが終了の時期が意識され始めている、と言えると思います。

やはり短期的には焦点は米国の金融緩和がどこまで続くのか、充分に景気が回復し足腰がしっかりとした状態での金融緩和終了となるのか、それとも足腰の弱い状態での金融緩和終了で腰折れとなってしまうのか、米国の景気動向と米国政府の金融緩和継続方針に注目が集まるのではないでしょうか。

一方、リスク環境のマイナス材料というのはそもそも予想困難な突発的な事象も多いため、適切な列挙をすることが困難ですが、この数か月を振り返ってみても投資家心理を冷やすニュースはヨーロッパ発のものが多くなっています。イタリアの政局しかり、キプロスの問題しかり、です。

こうしたプラスマイナスの材料が入り乱れる中、この点だけを見ておけばいいというものはなく、世界的なリスク環境がどう推移しているのか、その全体観を捉えていこうとする姿勢が大切なのではないかと思います。

中長期的な経済のファンダメンタルズに関しては、これまでの路線に大きな変化がないのか、をじっくりと考えていけば良いと思います。特に国ごとの差が拡大しながら全体の平均的な経済成長率が低下している先進国の今後と、もともと多様性に富み国ごとの差が非常に大きい新興国でその差が更に拡大しているということは、今後の中朝的な投資を考えるうえで最大のテーマになっていくと思います。

コラム執筆:ジョン太郎

金融業界の様々な分野で経験を積んできた現役金融マン。投資・運用・金融・経済など、お金にまつわるトピックをわかりやすく解説しているブログ「ジョン太郎とヴィヴィ子のお金の話」は人気を博し、各種のサイトで紹介されている。著書に「ど素人がはじめる投資信託の本」、「ど素人が読める決算書の本 」がある。

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