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<質問>
本決算発表が出揃いましたが、どのような部分に注目すればよいでしょうか?
<回答>
日本株の場合でお話ししますと、TOPIXや日経平均などの市場全体の動きを表す指数に連動するものや多くの銘柄に分散するファンドへの投資をする(している)のであれば、とても個々の会社の決算書を全て見るのは難しいと思いますので、構成割合の多い主要銘柄のものだけを見ればよいと思います。一方、個別銘柄投資の場合は決算書は是非チェックして頂きたいですが、銘柄が多い場合であればなかなかじっくり見るのは大変です。10社以内であればじっくり読むこともできると思いますが、10社を超えるとなかなかそういうわけにもいかないと思いますので、分散している分、浅くしてもよいのではないでしょうか。浅くでもいいのでざざっと見ることが大事です。ざざっと見るだけであれば、慣れてしまえば100社分くらいはそんなに時間をかけずにチェックできます。
実際に決算書を読む時の見方ですが、まずは現在の状態のチェック、前期あるいはその前との縦の比較、同業他社等との横の比較、です。同業他社等との比較をするのはたくさんの決算書を見ていればイメージができているので簡単ですが、あまり決算書を読みなれていないとかなり大変だと思います。これからでも決算書をチェックする習慣をつけてどんどん経験を積んでいくことが大切かと思います。見た決算書の数だけ、見るスピードが上がり、大事なポイントを見落としにくくなります。
決算書を読む際にチェックする具体的な内容としては、ありきたりですが、やはり収益性と安全性の両面から見ていくことが基本だと思います。収益性は売上・利益の変化、利益率の変化、純資産や総資産に対する利益とキャッシュフローの割合の変化、といったところのチェックが基本です。安全性は負債比率や流動比率、負債の利払いや元利払いが利益に対してどのくらい大きいか、キャッシュフローの流れ、といったところでしょうか。あとは利益率のチェックをする中で特別利益や特別損失の中身もチェックしておきたいところです。
コラム執筆:ジョン太郎
金融業界の様々な分野で経験を積んできた現役金融マン。投資・運用・金融・経済など、お金にまつわるトピックをわかりやすく解説しているブログ「ジョン太郎とヴィヴィ子のお金の話」は人気を博し、各種のサイトで紹介されている。著書に「ど素人がはじめる投資信託の本」、「ど素人が読める決算書の本 」がある。
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